『SES やめとけ』と言われる10の理由!SESからの転職なら社内SEがおすすめ!

SESってやめといた方がいいの?どうして「やめとけ」って意見が多いのか知りたい!

SESがすべて悪いというわけではありませんが、IT業界の構造上の問題もあります。どのようにキャリアアップできるか併せて解説します

結論

  • SESはIT業界構造上、①給与・待遇、②労働環境、③キャリアで不利なのでおすすめしにくい
  • 20代のIT未経験者やキャリアアップを狙わない働き方にはマッチしやすい
  • SESで経験豊富な30代には社内SEへの転職がかなり有利になりやすい

最後にSESエンジニアは社内SEへの転職で有利であるという話もしますので、現在SES企業に勤務されている方はぜひ最後までごらんください。

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  • 社内SE採用担当歴5年(書類選考、面接)
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  • 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
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目次

SESとは

正式名称

SESとは、「System Engineering Service」の略で、システムエンジニアによるサービスを提供する契約形態を指します。IT業界ではSES契約と呼ぶことが多いのですが、一般的には準委任契約と言います。

準委任契約とは、発注者に対して受注者が一定の時間で事務処理を遂行することに対して報酬を支払う契約形態で、仕事の完成を目的とはしません。

SES(準委任)契約が用いられる代表的なシーン
① 先が読みにくい仕事
② 請負契約(後述)で発注しにくい不確定な仕事
③ 受注者側が変動リスクを負えない仕事

SES契約と請負契約の違い

SIerに多い請負契約とは、発注者に対して受注者が仕事の完成を約束することで報酬を支払う契約形態です。一定の不確定要素があったとしてもそのリスクを受注者側が負うことで、完成まで責任を持ちます。

SES(準委任)契約と請負契約の違いを見てみましょう

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SES(準委任契約)SIer(請負契約)
完成責任なしあり
仕事の内容あいまい確定している
発注者による指揮命令できないできない
成果物の不具合修正責任なし
善管注意義務あり
修正責任あり
契約不適合責任あり

繰り返しになりますが、SES(準委任)契約は完成責任がなく、請負契約は完成責任があります。これは仕事の内容がさきざきまで読みやすいかどうかに起因します。

指揮命令権はいずれもなく、契約内容で縛ります。SES(準委任)契約は指揮命令権が発注者側にあるように考えがちですが、それは違います。

さらに、請負契約は完成物にバグがあれば無償で修正する責任が発生します。通常、1年間で見つかったバグに対して無償で修正する責任を負う契約が多くあります。一方、SES(準委任)契約は成果物にバグがあったとしても修正する責任がありません。ただし、善管注意義務は発生します。これは「業務を遂行するうえで、通常考えられる注意は払われるべき」というものです。

SES契約と派遣契約の違い

派遣契約とは、発注者は受注者に対して労働者を派遣してもらい指揮命令を行うことで業務を遂行してもらい、報酬を支払う契約形態です。

SES(準委任)契約と派遣契約は非常に似ていますが、派遣契約は派遣元企業が認可を受けている必要があります。

また、派遣契約は指揮命令権がありますが、SES(準委任)契約は指揮命令権が発注者側にありません。

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SES(準委任)契約派遣契約
完成責任なしなし
仕事の内容あいまいあいまい
発注者による指揮命令できないできる
成果物の不具合修正責任なし修正責任なし

「SESはやめとけ」と言われる理由

では、なぜ「SESはやめとけ」と言われるのでしょうか?理由は3つに分類できます。

SESはやめとけと言われる理由の分類
① 給与・待遇面
② 労働環境面
③ キャリア面

それぞれ詳細を解説していきます。

給与・待遇面

① 給与が低い

IT業界は仕事が多重構造になっていることで有名です。つまり、仕事を請け負った1次請け業者が、複数の2次請け業者へ発注し、そこからさらに3次請け業者へ仕事が発注される構図です。

給与が安くなりやすいのは2次請け以降のSES契約です。

多重構造による利益の構図(イメージであり利益率は各社各案件で違います)

SES契約が多い2次請け以降の業者に仕事が発注される段階で、すでに20〜30%の利益+販売管理費を1次請けが享受している状態です。これは彼らが請負契約(完成責任という期日や成果遵守のリスクを負う)で受注しているからです。

じゃあ2次請けも請負にすればいいんじゃない?

2次請け以降も請負契約の場合もありますが、リスクを負う体力がない企業はリスクが低いSES契約になりがちです

誤解がないように解説すると、1次請けでもSES契約自体は存在します。例えば、仕事のアウトプットが期日までに約束できないような要件定義工程やユーザーテスト工程です。これらは準委任契約、つまりSES契約にすることは1次請けでもあります。

② 昇給しにくい

特にフリーランスを寄せ集めて常駐させるタイプのSES企業は昇給しにくい構図と言えます。なぜなら、リーダー経験を積む機会が相対的に少ないからです。

自社開発の場合、あなたを育成する先輩やマネージャがいて、将来的にあなたがリーダーになれば受注金額もアップします。

フリーランスを寄せ集めたチームの場合、あなたを育成するモチベーションを持ったITエンジニアは周囲にいません。もしかすると、リーダーの役割を奪われたくないと考えるかもしれません。その結果、あなたの役割が固定されると、提供する付加価値は変わらないため受注金額も据え置き、あなたの給与も昇給しにくいという状況に陥ります。

③ 仕事がないと給与カットという会社も…

SES企業の中には、仕事が見つからないITエンジニアを「休業」させることで給与をカットする会社もあります。

ITエンジニアの仕事を探す役割は営業で、システムエンジニアサービスを提供する役割がITエンジニアのはずなのですが、会社として売上が立たないことを理由に給与をカットしているんです。

すべてのSES企業がこのような扱いをしているものでは決してありません。一部のSES企業にすぎませんし、さらにこれは違法ではありません。

第二十六条

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

労働基準法(休業手当) https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

ただ、SES企業に勤務していると、このような待遇になるリスクが相対的に高いことは理解しておく必要があります。

労働環境面

④ 労働環境が案件によって異なる

SES契約では、客先に常駐するケースがほとんどです。

そうすると、案件ごとに労働環境が大きく変わります。有給休暇をとりやすい和やかな職場もあれば、休みにくい雰囲気の職場もあります。準委任契約なので本来は有給休暇の取得は左右されないのですが、ネガティブな労働環境があるのも事実です。

他にも残業が常態化している職場、人間関係がギスギスとした職場、通勤に2時間かかる職場など環境が案件によって異なる点が「やめとけ」と言われる理由の1つです。

⑤ 指揮命令権の所在があやふや

本来、SES契約では指揮命令権は発注側にはありません。契約に沿って粛々とシステム・エンジニアリングサービスを提供すればよい契約です。

ただ、実態として派遣契約と区別がつけられていない発注者やプロジェクトメンバーがいるのも事実です。

そうすると、SES契約なのに発注者から直接あれこれと指揮命令されたり、他社からSES契約で参画するメンバーへ指示を出す役割を期待されることがあります。

⑥ 職場が安定しない

SES契約は短期間で終わり、コロコロと案件・職場が変わることもあります。

これは請負契約でシステム開発のピークの頃にSES契約で人が集められ、ピークをすぎるとSES契約の更新が止まる(=職場が変わる)ケースが感覚的に多いように感じます。他にも、客先からスキル面で期待に沿わないことを理由にNGを出されて職場を転々とするケースもあります。

職場が変わると、人間関係やシステムの対象業務が変わり、開発環境や開発の規約や手続きも変わります。これは思いの外ストレスの原因となります。

⑦ 自分で職場を選べない

SES企業に所属していると、営業が案件を受注してきて、あなたは客先へアサインされるという構図になります。

そこでの業務が終了し職場を離れるとき、つぎの職場を自分で選ぶのはかんたんではありません。

そのタイミングで望む案件があれば良いのですが、そうではないと望まない客先へアサインされることが一般的です。

キャリア面

⑧ スキルアップしにくい

労働環境の「⑦ 自分で職場を選べない」でも言及しましたが、自分の意思で案件を決定できないので、スキルアップにつながりにくい悩みを持つSESエンジニアが多いと感じます。

今の現場では長期間Pythonで開発していたので、このままPythonを極めたいと考えていても、つぎの現場がJavaならJavaエンジニアのキャリアにシフトします。言語にかぎらず、担当工程や役割も一貫性がなくなる可能性が高いのがSES契約のデメリットの1つです。

⑨ 教育を受けにくい・上司の指導がない

SES企業の中には、教育や研修に力を入れている会社も多数あります。

一方、1〜2人で客先常駐することが多い会社はまとまった教育・研修を受ける機会に恵まれにくいと考えて良いでしょう。1人で常駐する場合、先輩からの指導は皆無でしょう。

客先から自社に戻る機会が少ないと、上司から指導を受けることも少なくなります。さらに、上司は普段のあなたの働きっぷりを見ていないので、指導もまとはずれになりがちです。

⑩ 年齢があがると仕事がなくなりやすい

SESエンジニアとしてのキャリアが長くなり、40代・50代にもなると、徐々に常駐できる客先が少なくなります。

これはニーズにマッチしたパフォーマンスが提供できないと判断されるためです。同じ理屈で、対価も相対的に低くなりがちです。

それまでにマネジメント経験を積めると結果は違ってくるのですが、上司や先輩の指導もなく、キャリアに脈略もなく客先を転々としていると、相応のスキル/経験が積みにくい環境と言えます。

SESのメリットにも着目

① 重い責任を負う機会が少ない

SES契約は完成責任がありません。これに伴い、契約不適合責任(瑕疵担保責任)による不具合修正の義務もありません。

さらに、マネジメントを任される機会が少ないとなると、仕事のプレッシャーは相対的に低く、このポジションに魅力を感じる人は一定数います。

② 嫌な労働環境でも気軽に変えられる

社内SEやSIerよりも1案件の期間が短めであるため、1つの労働環境に長期間いることを嫌う人や、案件を変えることで気楽に環境を変えられる点に魅力を感じる人もいます。

③ IT業界未経験者ならキャリアのスタートとしてハードルが低い

未経験から大手SIerへ転職するより、SES企業へ転職する方がハードルは比較的低いと考えてよいでしょう。

これは大手SIerの方が一般的に待遇が良く、競争倍率が高くなることで未経験者よりも経験者から採用される傾向にあるためです。即戦力を求める大手SIerにとっては当然の選択です。

一方、未経験者にとって喉から手が出るほどほしい「実務経験」を身につけるならSES企業は選択肢の1つと考えられます。しっかりとした実務経験を積んでからSIerや社内SEへ転職する手もあります。

SESが向いている人/向いていない人

ここまでの「SESはやめとけ」の理由とメリットをまとめると向いている人/向いていない人は、つぎのとおりです。

向いている人向いていない人
IT未経験でIT業界への転職を狙っている人
とにかく実務経験を積みたい人
1つの技術・職場・人間関係より、短期間で幅広い仕事がしてみたい人
仕事で過大なプレッシャーを受けたくない人
給与・昇給にこだわりたい人
すでに十分な実務経験がある人
新しい環境に慣れるまで時間がかかる人
計画的にキャリアアップを目指したい人
上司や先輩から指導をたくさん受けたい
年齢があがっても現場で働き続けたい人

SESからのキャリアパス

SES企業に入るとその先にはどんなキャリアパスがあるのか解説します。

① SESの社内で出世を目指す

第一に、所属するSES企業の中で出世・昇給を狙うキャリアがあります。

この場合、技術的な研鑽よりも、プロジェクトマネジメントスキルを身につけて大人数のチームで大きな利益をあげるのが手っ取り早いでしょう。

あるいは、ITエンジニアでありながら、客先で人間関係を築いて新規案件をつぎつぎと取ってくる営業スキルを身につけるのもこのキャリアパスには有効です。

② フリーランスを目指す

SES企業で特定分野のスキル/経験を身につけたら、フリーランスエンジニアとして独立するキャリアもあります。わたしがこれまで出会ってきたITエンジニアの中には「そもそもずっと1人で客先に常駐してきたし、いまさら企業に属するメリットがない」と言う人もいます。

この場合、特定分野で強みを発揮できること、仕事を途切れず取ってこれるスキル(あるいは契約を長期間更新してくれる関係性)が必要になります。

③ SIerへ転職する

SIerであれば、1次請けで給与や待遇もあり、プロジェクトマネジメントスキルを身につける機会にも恵まれているため、転職を目指すケースは少なくありません。

ただし、SIerへの転職はフリーランスエンジニアになるよりもさらに難しいと言わざるを得ません。なぜなら、SIerへの転職にはライバルも多数いるためです。

年齢にもよりますが、35歳以降になるとSIerへの転職で求められるのはプロジェクトマネジメントスキルです。ところが、SESエンジニアの中にプロジェクトマネジメントスキルを持っている人は多くなく、さらにSIerが中途採用に求める即戦力レベルとなるとさらに少ないためです。

④ 社内SEへ転職する

SESエンジニアとして、さまざまな顧客・職場を経験してきているなら、社内SEへの転職は最適な選択肢の1つです。

なぜなら、社内SEには1点突破の強みよりも、総合力が求められるためです。プログラミングだけ突き詰めた人、要件定義やコンサルティングだけを突き詰めた人では社内SEは務まりません。

これも社内SEのタイプによって大きく異なります。情報システム部門に所属するITエンジニアが多数いる全工程自前型の情シスであれば、スペシャリストの集まりであり一点突破のスキルが重宝されます。

一方、多くの情シスはDX推進型や御用聞き型で、幅広い経験値を持つITエンジニアが重宝されます。さらに社内SEならSES企業にはない魅力がいくつもあります。

社内SEが人気職種の理由
・労働環境がホワイトであることが多い
・自分に裁量が与えられている
・キャリアアップにつながる

なぜ、SES経験者には社内SEがおすすめか?

SESエンジニアのうち、転職を検討している方はこの記事でご紹介した「SESはやめとけ」の理由のうち、いくつかが該当したのではないかと思います。

逆に、該当したということは、あなたのキャリアは幅広くさまざまな技術・業務領域・役割を担当してきたということでもあります。そうしたなんでもやってきた人にこそ社内SEはマッチします。

社内SEがいかに幅広い経験と知識を求められるか、悪く言えばいかになんでも屋さんかは『【社内SEスキル大全】即採用されるスキル習得のロードマップを解説!』で求められるスキルの幅広さを知れば理解いただけはずです。

SESエンジニアとしての経験を活かし、同時に現在抱える不満や不安を解決できそうであれば、社内SEへの転職も選択肢の1つになるのではないでしょうか?おすすめの転職エージェントではキャリアアドバイザーが無料で面談を実施し、キャリアの棚卸しをサポートしてくれますので、一度話してみることをおすすめします。

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まとめ

この記事では、「SESはやめとけ」と言われる理由について解説しました。先に結論をお伝えすると、以下のとおりです。

結論

  • SESはIT業界構造上、①給与・待遇、②労働環境、③キャリアで不利なのでおすすめしにくい
  • 20代のIT未経験者やキャリアアップを狙わない働き方にはマッチしやすい
  • SESで経験豊富な30代には社内SEへの転職がかなり有利になりやすい

①給与・待遇、②労働環境、③キャリアの問題は、以下の10個の理由に分解できます。

SESはやめとけと言われる10の理由
① 給与が低い
② 昇給しにくい
③ 仕事がないと給与カットという会社も…
④ 労働環境が案件によって異なる
⑤ 指揮命令権の所在があやふや
⑥ 職場が安定しない
⑦ 自分で職場を選べない
⑧ スキルアップしにくい
⑨ 教育を受けにくい・上司の指導がない
⑩ 年齢があがると仕事がなくなりやすい

ただし、SESエンジニアから社内SEへの転職は比較的実現可能性が高く、さまざまな技術・業務領域・役割を担当してきた経験は社内SEの中途採用に求められる要件であることが多く、おすすめの転職先であることを解説しました。

社内SEとしてのキャリアに興味が出た方、SESへの転職を見直した方は、ぜひ以下の記事で社内SEへの転職を検討してみてはいかがでしょうか?

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