情シスのヘルプデスク職とは?仕事内容・メリット・年収・おすすめ資格を解説!
ヘルプデスク
求人の平均年収
512 万円 ※
情報システム部門のヘルプデスク職は、主に社内向けのシステムやPC、ネットワークに関するサービスを提供します。
「ヘルプデスク」の仕事はいわゆる問い合わせ対応のみですが、厳密には「サービスデスク」の仕事である能動的な情報発信やシステム要望の調査などを行うケースも多くあります。(ここでは統一して、「ヘルプデスク」と記載します)
社内SEと区別して部署をかまえるケースもあれば、社内SEがヘルプデスク業務を行うケースもあります。
ここでは、情報システム部門におけるヘルプデスク職の仕事内容ややりがい、メリット、向いている人の特徴やおすすめ資格についてご紹介します。
※ サンプリング抽出した社内SE求人情報の「(年収下限+年収上限)÷2」で算出
- 情報シスのヘルプデスクの仕事内容や具体的な求人例
- 情報シスのヘルプデスクのやりがい・メリット
- 情報シスのヘルプデスクに向いている人の特徴
- 情報シスのヘルプデスクにおすすめ資格・キャリアパス
- 情報システム部門のマネージャ職
- 社内SE採用担当歴6年(書類選考、面接)
- 大手SIer 10年以上の勤務経験
- 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
- 転職相談はX(Twitter)のDMでお気軽に!
ヘルプデスクの仕事内容
① 問い合わせ対応
ヘルプデスクは社内向けシステムに関する問い合わせや利用方法の案内を行います。ヘルプデスクを設置する目的は、社員がシステムを円滑に利用することでビジネスの成長をサポートすることです。そのため、ヘルプデスクにとって社員は仮想的ですがお客様にあたるとも言えます。
ユーザーのなかにはシステムに詳しくない人もいるため、自力で問題を解決するよりヘルプデスクに相談することで、ユーザーの貴重な時間を本来の業務に充てることができるのです。
また、問い合わせを管理する業務も発生します。なぜなら、ヘルプデスクを複数名で行う場合、その内容を共有しAさんが担当した問い合わせを後日Bさんが引き継ぐことがあるためです。また、システムベンダーへの確認が必要な問い合わせやバグについては、ヘルプデスクからベンダーへ問い合わせて、後日ユーザーへ回答する必要があります。
② システム運用
ヘルプデスクではシステムの定形作業や設定変更などの業務も行います。
例えば、新入社員向けにアカウントを追加したり、昇格にともない権限を追加・削除したり、銀行マスタや路線マスタのような汎用的なマスタを更新したりする業務がこれにあたります。
それ以外にも、システムのデータやログを依頼に応じて出力し、要望された形式でデータ提供する作業なども運用の一部です。
③ PCキッティング
ヘルプデスクチームの作業には、社員が使うPCのキッティングも含まれるケースが多くあります。キッティングとは、PCやスマホなどの機器に設定やソフトウェアをインストールする作業全般を指します。
例えば、OSや社員が共通して使うMicrosoft Office/PDFのインストール、社内ネットワークに接続するための設定、ハードディスクの暗号化などがキッティング作業に含まれます。
④ システム要望の収集や情報発信
ヘルプデスクの仕事は受け身な仕事が多いと思われがちですが、企業によってはヘルプデスクが能動的な活動を行うケースがあります。
例えば、システム改修のインプットに使うために、システム要望やクレームを収集・分類する場合があります。他にも「問い合わせが多い内容」や「便利なのに使われていない機能」については積極的に情報発信したり、問い合わせに24時間365日対応できるようチャットボットを用意する場合があります。
ヘルプデスクの具体的な求人例
情報システム部門におけるヘルプデスク職の求人情報を見てみましょう。求人情報をそのまま掲載することはできないため、主旨が変わらない範囲で書き換えています。
求人例①「ヘルプデスク&PCキッティング」
年収 | 400 万円 〜 600 万円 |
業種 | 不動産 |
仕事内容 | ・ヘルプデスク業務とチームマネジメント業務 ・PC、Office、ネットワーク等の問い合わせ対応 ・PCキッティングや資産管理 ・アカウント管理 |
求める経験 | ・ヘルプデスクスーパーバイザーやシステム運用等のリーダー経験(3年) ・情報システム部門におけるサポート業務経験(3年) |
求人例②「外資系企業のITサービスデスクの立ち上げ」
年収 | 400 万円 〜 600 万円 |
業種 | 非公開(外資系) |
仕事内容 | ・サービスデスクの立ち上げから運用 ・問い合わせ対応 ・アカウント管理 ・PCキッティング …等 |
求める経験 | ・リーダー経験、業務立ち上げ経験 ・サービスデスク経験 ・Active Directory等の認証系サービスの知識 ・英語スキル |
求人例③「社内ITヘルプデスクのリーダー」
年収 | 450 万円 〜 800 万円 |
業種 | ECサイト |
仕事内容 | ・ヘルプデスクチームの管理 ・社内利用PCの管理 ・社内業務システム / ツール等のサポート |
求める経験 | ・システム構築、運用の経験 ・ネットワーク、サーバの設計、構築、運用経験 ・コミュニケーションスキル ・実際に手を動かせるITスキル |
ヘルプデスクのやりがい・メリット
ヘルプデスクのやりがい・メリット
① ユーザーから感謝されやすい
② 計画的に仕事ができる
③ スキルアップの時間・機会が豊富
ヘルプデスクはクレーム処理も多くありますが、同じくらいユーザーから感謝される機会もあります。例えば、システムの使い方がわからない人やPCでトラブルが起きた人をサポートすると、惜しみなく感謝されるのでITについて幅広く勉強していてよかったと感じるものです。
他にも、ヘルプデスクは特定の時期を除けば、計画的に仕事ができる点はメリットの1つと言えます。IT導入プロジェクトのデスマーチのような激務とも無縁と言えます。
そのため、スキルアップのための時間や機会は豊富だと言えます。「IT企画がしたい」「業務コンサルにキャリアチェンジしたい」といった向上心があれば、そのために勉強する時間が確保しやすく、社内にいわゆる「ファン」が多数いればチャレンジしやすい環境だと言えます。
ヘルプデスクに向いている人
情シスのヘルプデスク職に向いている人の特徴やキャリアは以下のとおりです。
ヘルプデスクに向いている人の特徴
① 一人ひとりに丁寧に対応できるコミュニケーション力
② ベンダーやシステム導入部門と連携できる
③ システム、ネットワーク、PCまで幅広い知識
ヘルプデスクの業務では、ユーザーからそれぞれの状況に合わせた問い合わせ、トラブル相談があります。それぞれの文脈やITリテラシーに合わせて丁寧に対応し、テクニカルな内容をわかりやすく説明できる人がヘルプデスク職に向いていると言えるでしょう。
また、ヘルプデスクではシステムベンダーや業務部門と連携しながらシステム改善検討ができると、さらに一歩先のサービスを提供できます。トラブルやシステム障害を発端としながら、周囲と連携して同じゴールを目指せる巻き込み力の高い人はヘルプデスクでも大いに活躍できるでしょう。
また、システムトラブルは原因の切り分け(=原因の特定)が重要です。そのため担当するシステム以外についても重要な仕様を押さえている、ネットワークやPC、OSに関する知識があるとスムーズに原因特定できるため、幅広い知識/スキルが求められます。
ヘルプデスクのおすすめ資格
ヘルプデスクにおすすめの資格
① ITIL
② ITサービスマネージャ試験
① ITIL
ITサービス管理のグローバル標準に『ITIL(Information Technology Infrastructure Library)』があります。ITILはITサービスを管理するために必要な成功事例集と言われていますが、実際にはPMBOKのように管理手法や管理すべき事項が整理されています。
ITILの入門資格が『ITILファンデーション』ですが、数日間の研修を受けて、最後に試験を受ければ合格できる類の資格であるため実務には活用できますが、転職においては『ITILファウンデーション』の上位資格である『ITILスペシャリスト』や『ITILリーダー』からが評価対象と考えてよいでしょう。
② ITサービスマネージャ試験
『ITサービスマネージャ試験』は情報処理推進機構(IPA)が行う国家資格で、ITILをベースに出題されるため、実務に活用できることは言うまでもありません。実際にわたしもSIerの頃に保守リーダーを務めるときに大急ぎでこの試験を受験して、保守・運用をいちから勉強しました。
勉強IPAはITサービスマネージャの対象者像を以下のとおり定義しています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sm.html
合格率は15%程度で、かつIPAの高度試験のなかでは受験者数が少ない部類のため、転職においても希少性が高い資格と言えます。保守・運用の仕事がない情シスなど存在しませんので、多くの企業でアピールにつながりやすい資格です。
ヘルプデスクの今後のキャリアパス
ヘルプデスクの仕事は避けられることがよくありますが、わたしは「2〜3年程度なら、むしろキャリアに活かせる経験になる」と考えています。
なぜなら、運用・保守を知らずにシステム開発の経験だけを積むと、保守性の低いシステムになってしまいがちだからです。
ヘルプデスクの経験を通じて、システム保守・運用を理解したうえでアプリケーション開発やプロジェクトマネージャへとキャリアを進めると、現場の課題や保守性を自分の言葉で説明できるITエンジニアになれるでしょう。
また、ヘルプデスクからのキャリアアップとしてもっとも可能性が高い職種は『サービスマネージャ』です。ヘルプデスクの担当者であるうちにマネージャになる準備をすると早ければ2〜3年でサービスマネージャになる方も実際にいます。
一方、ヘルプデスクやキッティングの業務はまっさきにアウトソーシングの対象になりやすい業務であることはデータからわかるとおりです。IT未経験の方が転職で「ヘルプデスクを2〜3年経験して、その間に猛勉強してITエンジニアを目指す」という目標をもちながら従事することがその後のキャリアの選択肢を広げることにつながります。
情シスでヘルプデスクを目指す人におすすめの転職エージェント
情報システム部門のヘルプデスク職は明確に「ヘルプデスク」と書かれた求人は多くありませんが、業務内容を明示しない「社内システム管理全般」と書かれたの求人の多くがヘルプデスクの仕事を含む求人です。
すでに保守・運用の実務経験やヘルプデスクの経験がある方は、転職エージェントに相談することで自分の市場価値を把握できます。ヘルプデスクの求人を探すなら『マイナビIT AGENT』や『doda』が幅広い求人を取り扱っておりおすすめできます。
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