【社内SEマネージャの本音】出世で引き上げたい人・引き上げてはいけない人の特徴5選

社内SEになったら、どうやって年収アップを狙うんですか?

方法は2つあります。
1. 出世して昇格にともなう昇給を狙う
2. 転職で年収アップを狙う

転職は一旦置いておきます。出世を考えると、社内SEは内製するタイプの情報システム部門を除いて、スキル=出世という構図になりにくい面があります。なぜなら、情報システム部門内で同じ仕事をしているライバルは少なく、特定領域のスキルを単純に比較できないからです。

では、社内SEが出世で年収アップを狙うにはどうすればいいのでしょうか?情報システム部門で10年近く勤務し、現在はマネージャとして勤務している視点で解説します。

社内SEが出世するためのポイント
① マルチタスクで仕事が速い
② 新しい技術を学びながら前向きに取り組める
③ 業務部門との調整ができる
④ 上司の意思決定を容易にできる
⑤ メンバーのマネジメントができる

本編で詳細について解説していきます

R35運営者の転職プロフィール
  • 情報システム部門のマネージャ職
  • 社内SE採用担当歴6年(書類選考、面接)
  • 大手SIer 10年以上の勤務経験
  • 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
  • 転職相談はX(Twitter)のDMでお気軽に!
目次

社内SEの給与はどのように決まるか?

まず、大枠から解説します。

情報システム部門の社内SEの給与はいったいどのように決まるのでしょうか?一般的にはつぎの3つの要素で決まると言えます。

社内SEの給与決定要素
① 業界
② 会社
③ ポジション

注意が必要なのは、いくら上司に評価されて出世しても、この3つのうち①業界、②会社の範囲を越えないと劇的な改善は難しいという点です。そこを理解したうえで、評価されやすい社内SEの特徴を知りましょう。

努力で解決できない範囲

①業界の給与水準

社内SEの年収にもっとも影響を与える要素は、会社が属する業界の給与水準です。

そのため、給与水準が低い業界の社内SEは、総じて年収が低くなりやすいと考えましょう。業界の給与水準は国税庁『民間給与実態統計調査結果』の「業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額」を見てみましょう。

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ランキング平均給与が高い業界平均給与が低い業界
1位711万円 電気・ガス・熱供給・水道業288万円 宿泊業・飲食サービス業
2位632万円 金融業・保険業 337万円 農林水産・鉱業
3位587万円 情報通信業374万円 医療・福祉
業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額(令和2年調査)の数字を四捨五入

②会社の給与水準

業界の給与水準を確認したら、つぎは各社の給与をチェックしましょう。給与があがりにくい会社でいくらがんばっても天井には限界があります。

特に注目したいのは40歳時点の給与ランキングです。なぜなら、20代、30代は特定の業種を除いてどこも給与に差がうまれにくいためです。40代は役職に就く年齢でもあり、給与の差が大きくなります。

努力で解決できる範囲

一方、「ポジション」はスキルアップや出世で解決できる給与アップの方法です。

情報システム部門のなかでどんなポジションに就くかによって給与が違います。組織マネージャ職は当然給与が高くなりますが、それ以外にも給与が高いポジションに以下の職種があります。

給与が高い社内SEの職種
① プロジェクトマネージャ
② セキュリティエンジニア
③ DX推進

詳細は『社内SE転職の年収相場を調査!平均年収が高い業種・ポジション・転職エージェントはどこ?』をご覧ください。

引き上げたい人=上司の助けになる人

結論:出世するのは上司の助けになる人

極端な表現ですが、上司が評価するのは「自分の助けになる人」です。

残念ながら「会社の将来を考えている人」でも「スキルが高い人」でもありません。なぜなら、上司自身は管理職であり、自分自身は「情報システム部門が組織目標を達成したか」で評価されるためです。組織目標を達成するためには、自分の助けになる人を優先的に評価します。

上司に気にいってもらえるかどうかで決まるんですか?

気にいるかどうかではありません。
上司が自分の仕事に集中できるように、「足をひっぱらない人」「上司をサポートできる人」を評価するというのが本音です。

では、具体的にどのような特徴があるか解説します。

特徴① マルチタスクで仕事が速い人

多くの社内SEはシングルタスクではなく、マルチタスクで仕事を処理することを要求されます。

そのため、指示された仕事をすぐに処理できるメンバーは高く評価されます。

情報システム部門は、急な相談や問い合わせ、セキュリティ事故の報告などの突発的な業務が発生しやすい部署と言えます。そのため、「発生した仕事をすぐに分解、優先順位をつけて、周囲を巻き込み処理する」スキルがないと上司から評価されにくいと言えます。

特徴② 新しい技術を学びながら前向きに取り組める人

情報システム部門は既存システムを保守/運用するだけでなく、新しいシステムの導入や技術検証も行います。

今あるスキル/技術だけで自分の仕事を定義してしまい、Web3.0や生成AIなど新しい技術が出てくると「それはわたしの仕事ではありません」と言う人がいます。

上司の立場から見ると、「この人は既存の仕事はちゃんとやるけど、新しいことにチャレンジできない人」という評価になってしまいます。

特徴③ 業務部門との調整ができる人

社内SEの役割は会社によって大きく異なりますが、業務部門との調整が発生しない情報システム部門はありません。

むしろ、コストセンターである情報システム部門にとって業務部門は顧客とも言えます。上司はその重要性を知っています。

でも、上司本人がすべての業務部門と調整するのは現実的ではないため、業務部門との調整を任せられる社内SEは上司から高く評価されるんです。

特徴④ 上司の意思決定を容易にする人

人間は本能的に決断を回避したがると言われています。

「ジャムの法則」(社会心理学者 シーナ・アイエンガー)の実験で、店頭に24種類のジャムを並べるより6種類のジャムを並べた方がよく売れるという話を聞いたことがあるかもしれません。

これは「決定回避の法則」と言われています。

情報システム部門でも同様に、上司は難しい意思決定よりかんたんな意思決定を好みます。以下は一例ですが、上司の意思決定をかんたんにする工夫ができるだけで評価は高くなりますよ。

かんたんな意思決定の例
① どうしますか?よりどちらにしますか?
② 案に至ったエビデンスを提示する
③ 他社事例を示す
④ 必要となる費用を比べる

特徴⑤ メンバーのマネジメントができる人

極論、メンバーのマネジメントができるレベルの人材は必ずと言えるほど高く評価されます。

このレベルのメンバーなら、上司は自分の仕事の一部を任せることができ、本来マネージャとして取り組みたい仕事に注力できるからです。

それってマネージャがサボりたいだけじゃ?

いえ、そうじゃないんです

本来マネージャは、将来のビジョンを描き、それに応じた人員の確保、メンバーのスキルアップ施策に取り組みたいと考えています。実際はメンバーのフォローや指示、突発的な事案への対応に追われて、本来の仕事に着手できていないんです。

マネジメント業務の一部をサポートしてくれるメンバーがいれば、高く評価しないわけがないですよね。

番外:引き上げてはいけない人

逆に、社内SEマネージャが引き上げない=評価しない人の特徴についても把握しておきましょう。

評価されない社内SEの特徴
① 自分のスケジュールの立案・進捗管理ができない
② 自社のビジネスに興味がない
③ 自分の仕事を勝手に定義して新しい仕事に取り組めない
④ 調整ごとが苦手
⑤ 面倒見が良くない

これらの特徴を持つ社内SEが「悪い」と言いたいわけではありません。上司から「評価されにくい」というだけで、「ビジネスなんて興味なし!技術一本で食っていく」という働き方を否定するものではありません。

結論

極端な表現ですが、上司が評価するのは「自分の助けになる人」です。具体的に5つのポイントに絞って解説しました。

社内SEが出世するためのポイント
① マルチタスクで仕事が速い
② 新しい技術を学びながら前向きに取り組める
③ 業務部門との調整ができる
④ 上司の意思決定を容易にできる
⑤ メンバーのマネジメントができる

一方、努力で解決できるのは「昇格による昇給」だけであり、社内SEの給与決定要素の大部分は業界と会社であることに変わりはありません。

業界や会社を変えるには転職以外に方法はありません。大幅な改善を狙いたい方は、おすすめの転職エージェントを使って、高年収のホワイト企業を目指してください。

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