社内SEの基礎情報
社内SEの基礎情報
転職したい35歳以上のITエンジニアなら「社内SE」
転職を考えている35歳以上のITエンジニアなら、一度は「社内SE」を転職の選択肢に入れてみることをおすすめします。
なぜなら、35歳以上のITエンジニアの悩みの多くが社内SEなら解決できるからです。
35歳以上のITエンジニアの悩み
① 年収が上がらない
② 労働時間が長くてつらい
③ 技術だけでこの先30年働けるか不安
④ もっと裁量のある仕事がしたい
⑤ 顧客の生の声が聞ける仕事がしたい
これらの悩み、どれも社内SEなら解決できる可能性が高いんです!
社内SEとは
社内SEとは、企業や組織の中の情報システムに関わる企画・計画・導入/構築・保守/運用までを担当するシステムエンジニアのことです。
社内SEの仕事内容は企業や組織によってその役割分担が異なります。例えば、プログラミングまで社内SEが行う(内製する)場合もあれば、システム企画と導入プロジェクト管理だけという場合もあります。ここでは概ねつぎのような業務を行うんだという理解でOKです。
- システム戦略策定
- システム企画
- システム導入(システム開発含む)
- システム保守/運用
- PC等のIT資産管理
- ネットワークインフラ管理
- システム導入効果の評価
- 情報セキュリティ関連
- システムやPC、ネットワークのヘルプデスク
- デジタルトランスフォーメーション推進
- システム監査対応
情報システム部門の役割は企業によって異なる
社内SEの仕事って幅広いんだね
でもすべて1人でやる必要はありません。
会社毎に情シスの役割は違って、タイプに分類することができるんです。
例えば、IT戦略の立案と企画だけを行って、構築はすべて外部へ委託する『DX推進型』、構築と保守・運用だけを行って企画や要件定義は営業や経理などの業務部門が行う『御用聞き型』などです。
なんでタイプ分類するの?
転職を狙うなら、タイプ分類して対策することで選考通過率が上がるからです!自分にマッチしたタイプを絞るのが社内SEへの転職でもっとも重要な戦略の1つです。
社内SEが人気職種である理由
35歳以上のITエンジニアなら、だれもが一度は抱く悩みを解決してくれる『社内SE』。それゆえ、ITエンジニアの中では人気職種の1つです。大手企業の場合は倍率が100倍を超えることも珍しくありません。
なんでそんなに人気なの?
社内SEに転職するとメリットがたくさんあるからです
社内SEが人気職種の理由
労働環境がホワイトであることが多い
① 大手・安定した業界に転職できる
② 年収が高い
③ 残業時間が少ない
④ 異動が少なく定住しやすい
自分に裁量が与えられている
⑤ システム企画、将来はIT戦略立案
⑥ 好きなサービスをトライアルできる
⑦ 自前で作ることもできる
キャリアアップにつながる
⑧ 顧客に近くビジネスを知ることができる
⑨ 業界の知識が身につく
⑩ いろんな製品・サービスを比較できる
現在、SIerやSES、WEBエンジニアとして働くITエンジニアなら誰もが1つは当てはまる悩みがあるのではないでしょうか?
もちろんすべての社内SE求人がこれらを満たしているわけではありません。でも求人をしっかりと見定めれば、現在SIerやSESで抱える悩みを解決できるなら、一度はチャレンジする価値があるはずです。
ただし、「社内SEは楽すぎ」と甘く見るのは禁物です。楽すぎな求人の中にはキャリアの先が暗くなるような求人もあります。例えば、サーバー監視やヘルプデスクだけの社内SEになると、たしかに「楽すぎ」ではあるものの40歳・50歳になったときに転職できないキャリアで会社と一蓮托生になってしまいます。
「楽すぎ」だけど損はしない求人を見分けるポイントがあるので、注意しながら求人を探しましょう。
ネットの一部で囁かれるネガティブなウワサの検証
インターネット上には「社内SE いらない」「社内SE やめとけ」といったネガティブな情報があります。
それらはまったく裏付けがなかったり、一部の事実をあたかもすべてであるかのように語った情報の場合があります。あなたが社内SEへの転職を真剣に検討されているなら、それらの情報の真偽を見定める必要があります。
例えば、「社内SE いらない」と言われるのは一部の社内SEであって、社内SEがまったく不要になることはありません。むしろ、経済産業省も『IT人材需要に関する調査』でユーザー企業側のITエンジニアの必要性について言及しています。
「社内SE やめとけ」と言うネット記事が非常に多く、プログラミングスクールや転職エージェントのオウンドメディアまで無責任な情報に基づいて「やめとけ」を拡散しているケースがあります。
例えば、「思ったより仕事がきつい」をその理由にしていますが、IT/通信系の職種の中で社内SEはもっとも平均残業時間が短いことがわかっています。「技術・スキルが身につかない」という理由もあげられていますが、これも技術なしにシステム開発を発注して成功に導くことなど不可能であることを考えると、いかにいい加減な情報かわかります。
社内SEに必要なスキル
社内SEにはSIerやSESよりも幅広いスキル/経験が求められます。具体的にはつぎのスキルです。
コミュニケーションやセルフマネジメントなどの基礎スキルは当たり前。プロジェクトマネジメントから開発・運用のスキル、業務知識と課題解決力、チームマネジメント、IT戦略まで幅広い知識と経験が求められます。
詳細は『【社内SEスキル大全】即採用されるスキル習得のロードマップを解説!』で紹介しています。
社内SEのキャリアパス
スキルや経験が幅広いってことは専門性が低いってことだと思うんですけど、一度社内SEになると、その先のキャリアってどうなるの?
「社内SEの経験は市場価値がない」なんて言う人もいますが、昇格・転職どちらでもさまざまな道がありますよ
社内SEのキャリアパス
① 情シスで管理職/CIOを目指す
② 社内で業務部門へ異動する
③ 他社の社内SEへ転職する
④ SIerへ転職する
⑤ ITコンサルファームへ転職する
⑥ フリーランスエンジニアになる
最も重要なポイントは、「将来、社内SEからさらに転職するなら、その前の社内SEのタイプ選択を間違わない」ことです。社内SEの役割は会社によって大きく異なり、タイプによってはつぎの転職で不利になることがあります。
例えば、システム戦略や企画、要件定義、プロジェクトマネジメントなどつぎの転職に有利な社内SEポジションがおすすめです。おすすめポジションの詳細や、キャリアアップにつながる経験・資格についても『社内SEのキャリアパス・キャリアプランは?転職後の可能性を解説!』で説明しています。
管理職/CIO (昇格) | 業務部門へ (社内異動) | 他社の社内SE (転職) | SIerへ (転職) | ITコンサルへ (転職) | フリーランス (独立) | |
---|---|---|---|---|---|---|
DX推進型 情シス | ✕ ほぼなし | 少ない | ||||
御用聞き型 情シス | 少ない | 少ない | ✕ ほぼなし | |||
ヘルプデスク型情シス | ✕ ほぼなし | 少ない | 求人少ない | 求人少ない | ✕ ほぼなし | |
全工程自前型 情シス | やや不利 |
一方、社内SEになってから「やめたい」と考えて転職されるケースももちろんあります。ではどんな理由で社内SEから離職するのか、よく耳にする理由を11のパターンで分類しました。
例えば、「間接部門(コストセンター)なので評価されない」「上司がITに理解がない」「社内に情シスは1つしかないので異動がなくて人間関係が固定されてつらい」といった理由があります。
実は、これらの退職理由の多くは入社時点(転職活動時点)で回避できるケースがあります。その方法について知りたい方はつぎの記事をご覧ください。
社内SEへの転職に有利な資格
社内SEへの転職にあたり、資格は必須ではありません。そのため、中途採用の選考において「実務経験か、保有資格か」という軸で判断するなら「実務経験」となります。社内SEはじっくり時間をかけて育成するというより即戦力を求める傾向があるためです。
じゃあ資格を取っても意味ない?
いいえ!
採用側が求める実務経験をもつ候補者がかならず応募するとは限りません。そのとき、資格をもつ候補者は有利になります
この記事では、社内SEへの転職を目指す方向けに、中途採用で有利になる資格について、つぎの3つの観点で評価してランキングにしました。
資格の採点基準
① 業務との合致度
② コストパフォーマンス(努力量に見合うか)
③ コストパフォーマンス(受験料)
応募するポジションによって求められるスキル/経験は異なるため、①未経験者、②メンバークラス、③管理職クラスに分けてランキングした結果、以下のとおりとなりました。ランキングの根拠やその他の資格の詳細は『【転職で有利】社内SEに必要な資格20種類をランキング!おすすめの資格を難易度別に紹介!』で解説しています。
未経験者向け
順位 | 資格名 | 総合評価 | ITSS レベル | 勉強時間 | 合格率 | 受験料(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
シスコ認定試験(CCNA) | 8点/9点 | 2 | 200時間 | 非公開 | 36,960円 | |
基本情報技術者試験 | 7点/9点 | 2 | 200時間 | 22~27% | 7,500円 | |
情報セキュリティマネジメント試験 | 6点/9点 | 2 | 200時間 | 50〜60% | 7,500円 | |
ITILファンデーション | 6点/9点 | 1 | 20時間 | 非公開 | 35,200円 |
メンバークラス向け
順位 | 資格名 | 総合評価 | ITSS レベル | 勉強時間 | 合格率 | 受験料(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
情報処理安全確保支援士 | 9点/9点 | 4 | 200時間 | 18〜21% | 7,500円 | |
ネットワークスペシャリスト試験 | 8点/9点 | 4 | 200時間 | 12〜15% | 7,500円 | |
AWS認定ソリューションアーキテクト | 6点/9点 | ー | 50時間 | 非公開 | 16,500円 |
管理職クラス向け
順位 | 資格名 | 総合評価 | ITSS レベル | 勉強時間 | 合格率 | 受験料(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|
プロジェクトマネージャ試験 | 9点/9点 | 4 | 200時間 | 15% | 7,500円 | |
ITサービスマネージャ試験 | 8点/9点 | 4 | 100〜150時間 | 15% | 7,500円 | |
ITストラテジスト試験 | 7点/9点 | 4 | 150〜200時間 | 15% | 7,500円 |
社内SEの情報収集なら転職エージェント活用
あなたが社内SEへの転職を検討されているなら、もっとも重要なのは「社内SEの役割は会社毎に大きく異なる」という点への対応と戦略です。
「志望企業において社内SEがどのような役割なのか」を自分でしっかりと調べる必要がありますが、社内SEの転職事情に詳しい転職エージェントから情報を収集することも重要です。なぜなら、彼らは求人企業の担当者からどういった人材が必要かヒアリングしているからです。
転職エージェントの活用方法については、以下の記事で解説しています。関心のある記事があればぜひ参照してみてください。
サービス名 | おすすめ度 | 社内SE 求人件数 | 総合/専門 | エリア | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
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