【転職前必見】情報システム部門の実態調査からわかる転職の狙い目!

【転職前必見】情報システム部門の実態調査からわかる転職の狙い目!

 社内SEへの転職を目指しているのに、意外と知られていないのが情報システム部門の実態です。会社によってその実態は異なりますが、全体像を知ることで『情報システム部門ではどんな社内SEが求められているのか?』を把握することができれば、転職活動も断然有利に進められますよね。

 この記事ではIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が実施した『全国情シス実態調査レポート2021』を引用しながら、現役社内SEとしてエンジニアの中途採用を担当する立場から、情報システム部門の実態と中途採用における狙い目を解説することで、みなさんの社内SEへの転職をサポートします。

この記事でわかること
  • 情シスへの転職の狙い目はプロジェクトマネジメント、IT戦略
  • 情シスがアウトソーシングしている業務で転職を狙うのは厳しい
  • 社内SEの残業時間は情報通信産業の中でも低い
  • 30代から40代は内部昇格より転職が年収アップにつながる可能性が高い
R35 管理者の転職プロフィール
  • ITエンジニア職の中途採用を担当(書類選考、面接)
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎて倍率200倍の私立大学職員へ転職成功
  • 情報システム部門で管理職&プロジェクトマネージャ
目次

情報システム部門で働く社内SEの実態

会社規模別の社内SEの人数

 会社規模別の社内SEの人数について調査しています。よく耳にする「1人情シス」、つまり社内に情報システム部門がなく、たった1名の担当者が情報システムに関するすべての業務を行っているケースは従業員100名未満の会社だと40%を超えていました。さらに100-500名の規模でも20%を超えています。

501-1,000名規模の会社でも「2人情シス」を含めると約15%あるので、「1名〜2名の情シスには転職したくない!」なら、1,000名以上の規模を狙うのが賢明です。

入社経路

 現在勤務する社内SEの入社経路、つまり新卒採用か中途採用かについては中途採用が多いことがわかりました。ざっくりとしたイメージとしては3名中2名が中途採用、残り1名が新卒採用という割合です。

 会社規模が大きくなるにつれて、新卒採用が多くなる傾向のようです。小規模な企業・中堅企業はコスト部門である情報システム部門に教育コストをかけることが難しく、即戦力を中途採用していることが予想されます。この傾向は大企業でも同じで、事業規模が5,000億円未満の会社では中途採用が過半数です。5,000億円以上の規模になるとようやく新卒採用が過半数となります。

大企業の情報システム部門への転職を狙う方は、「新卒採用の人材が持っていないもの」をアピールする必要がありますね。

転職回数・勤務年数・異動歴

 現在情報システム部門にいる社内SEはどのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか?調査で明らかになったのは、「意外と保守的」と事実でした。IT企業に勤務していると3社、4社と渡り歩いている人は珍しくありませんが、情報システム部門は0回(転職経験なし)〜1回の人材が過半数です。4回以上転職したことがあるのはわずか13.0%でした。

 さらに、年代別の転職回数を見ると、30代に1回目の転職をしている(30代で転職回数0回という回答が激減する)ことがわかっています。

35歳以上が社内SEへの転職でメジャーなタイミングで、門戸が開かれていることがわかりますね。

 さらに、勤務年数=情シス年数というケースが多いように思われる回答結果のため、入社後は職種が変わるような異動が少ないこともわかります。

社内SEの業務内容

どんな業務に時間を費やしているのか

 業務時間のうち、時間を費やしているのは「システム運用・監視」「新規システム導入検討・検討支援」「既存システムリプレース検討・検討支援」の順で、それぞれ60%を超えていることがわかっています。

引用:IIJ 全国情シス実態調査レポート2021(https://www.iij.ad.jp/svcsol/survey/all-it/2021/)

アウトソーシングされる業務、自前の業務の実態

 では、上記の「時間を費やしている業務」を自前でやっているのかというと、そうではないことがわかったようです。アウトソーシングしている業務のTOP3は「システム運用・監視」「障害対応」「PC管理・キッティング」です。時間を費やしている業務の中でも「システム運用・監視」は外部へ委託されているケースが増えていることがわかります。

転職面接でシステム運用・監視を強みとしてアピールするのは避けたいですね。

じゃあ、どこをアピールしたらいいの?

 アウトソーシングしている割合が低い業務は情報システム部門が社員に求めるスキル・経験と言えます。アウトソーシングの割合が低い業務のTOP5は「予算管理・予実管理」「エンドユーザ向け操作説明会」「システム導入プロジェクトマネジメント」「部内教育・トレーニング・スキルトランスファ」「IT戦略の策定・戦略策定の支援」のようです。

これまでこのブログでもお伝えしてきたとおり、「管理職経験」「プロジェクトマネジメント」「ITストラテジスト」が求められます。

残業は情報通信業の中で低い傾向

 転職時に気になるのは待遇面ですね。待遇面のうち「勤務時間」と「年収」は特に気になりますよね。

 この調査の中でも残業時間に関する質問項目がありました。詳細はダウンロード版の資料をぜひご覧いただきたいのですが、10時間未満が33%以上、10時間以上〜20時間未満が25%以上なので、約60%の社内SEが残業20時間未満であることがわかります。全体の平均値は示されていませんでしたが、割合から概算で平均は20時間程度であることがわかります。

 dodaの『残業の少ない仕事・多い仕事は?90職種別の残業時間ランキング∼コロナ禍で残業時間はどう変わった?∼』で、社内SEの平均残業時間は17.0時間ですので、複数の調査で残業時間の信憑性が高まります。ちなみに、dodaの調査の中でIT/通信系の職種に絞った平均残業時間の中でも社内SEの残業時間は短いことがわかっています。

全90職種中の
ランキング
職種平均残業時間
23位社内SE17.0
28位テクニカルサポート/ヘルプデスク18.0
35位品質管理(IT/通信)19.1
48位Webエンジニア21.0
49位ネットワークエンジニア21.0
55位インフラコンサルタント21.8
60位アプリケーションエンジニア22.0
71位研究開発/R&D(IT/通信)24.3
82位サーバーエンジニア26.5
83位ITコンサルタント(アプリ)27.2
doda『残業の少ない仕事・多い仕事は?90職種別の残業時間ランキング∼コロナ禍で残業時間はどう変わった?∼』から
IT/通信系エンジニアに絞り、R35が並び替えて作表

年収幅と昇給の実態まとめ

 待遇面で残業時間とともに気になるのは「年収」ですよね。私が気になったのは「いつ昇給するのか?」というポイントです。

 30代と40代で年収を比較すると、全体では100万円程度しかアップしていないように思われます。調査のダウンロード版には年代別の年収が細かく記載されていますので、そちらも気になる方はぜひダウンロードしてご覧いただきたい

 この仮説が正しければ、30代は内部昇格による年収アップを狙うよりも、転職をきっかけにした年収アップを狙う方が良いことになります。

他の人も内部昇給してないなら、転職の方が年収アップしやすいかも

まとめ

 この記事では転職を目指す方向けに、IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が実施した『全国情シス実態調査レポート2021』から狙い目や傾向について解説し、つぎのようなことがわかりました。

この記事でわかったこと
  • 情シスへの転職の狙い目はプロジェクトマネジメント、IT戦略
  • 情シスがアウトソーシングしている業務で転職を狙うのは厳しい
  • 社内SEの残業時間は情報通信産業の中でも低い
  • 30代から40代は内部昇格より転職が年収アップにつながる可能性が高い

 35歳以上で社内SEへの転職を目指す場合、自分をアピールするためにもIIJの全国情シス実態調査レポート2021』で実態を確認しておくことを強くおすすめします。

 またレポート以外の情報収集には、社内SEに詳しい転職エージェントの活用も有効な手段です。社内SEへの転職でおすすめできる転職エージェントをご紹介しますので、ぜひ無料登録のうえで活用してください。

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