SIerエンジニアのキャリアパスは？職種と年齢別のお悩みをSIer歴10年以上が解説！

SIerに勤務するITエンジニアやこれからSIerを目指す方なら、SIerにはどんなキャリアパスがあるのか気になりますよね。

遠い将来やキャリアパスが見えないと不安にもなりますよね。この記事ではSIerに勤務するITエンジニアのキャリア紹介だけでなく、プロジェクトマネージャや組織管理職にならなかった人のキャリアについても紹介します。

SIerのキャリアパス

※ 年収平均は経済産業省の『IT関連産業の給与等に関する実態調査結果』からもっとも合致すると考えられる職種の「年収平均」を引用しています。

会社ごとの年収/待遇は『SIer年収ランキング！年収アップ率、初任給を比較！』をごらんください。

アプリケーションエンジニア

日本のSIerではアプリケーションエンジニアの前にプログラミング工程を担当する場合が多く見られます。大手SIerの場合、コーディング経験なしで基本設計や詳細設計を担当する場合があります。

インフラエンジニア

データの安全性を確保しながら、システムを安定的に提供することがインフラエンジニアのミッションと言えます。そのためバックアップや災害対策、セキュリティ対策も業務範囲の一部と言えます。

セキュリティエンジニア

これら以外にも、侵入検知システムやデータ漏えい防止のための製品選定、擬似的な侵入テスト（ペネトレイションテスト）、セキュリティポリシーの策定や従業員への情報セキュリティ教育などもセキュリティエンジニアの業務の一部です。

プロジェクトマネージャ

日本においてプロジェクトマネージャはアプリケーションエンジニアやインフラエンジニアの延長線にあるキャリアパスであるのが一般的であり、いきなりプロジェクトマネジメントの業務に就くのはまれなケースと言えます。

ITアーキテクト

ITアーキテクトはシステムの要件に沿って、ベストなサーバ、OS、データ構造を含むデータベース製品、セキュリティ製品、プログラミング言語などを選定・設計します。そのため豊富で幅広い技術的知見を要するポジションです。

組織マネージャ（例 課長・部長）

圧倒的に多いのはプロジェクトマネージャから組織マネージャに昇格するケースです。それと比較して少ないケースですが、ITアーキテクトから技術部門やインフラ部門の組織マネージャに昇格する会社ももちろんあります。

組織マネージャコースを外れると…

プロマネ・組織マネージャから外れた場合…
・既存システムの保守/運用リーダー
・プロジェクトマネージャの支援（PMO）
・営業支援（セールスエンジニア）
・コーポレート部門

経験上、よくあるのは「既存システムの保守/運用リーダー」です。もちろん停止や障害が許されないミッションクリティカルなシステムではなく、運用要件が低めに設定された現場です。

あるいは、プロジェクトマネージャの支援を行う立場（PMO）になるケースもあります。リーダーシップを発揮するのは苦手でも進捗管理や課題管理の事務的な部分は得意なケースと言えます。

それでもニーズとスキルがマッチしない場合は、営業支援やコーポレート部門へ異動されるというケースもあります。

キャリアに悩むタイミング

① 1年目の悩み

1年目は「仕事についていけない」と「イメージした仕事ではなかった」がとにかく多く耳にする悩みです。

日本のSIerはコンピュータサイエンス専攻ではない文系学部からも大量に新卒採用するため、そのなかにはプログラミングやネットワーク、サーバのスキル/知識の習得に苦労する人が必ずいます。

就職活動でイメージしていたのは、世の中の重要な仕組みを支えるシステムの開発だったはず。それなのに地味な作業が続いて「こんなはずじゃなかった」と後悔する人もいます。

② 3〜5年目の悩み

仕事もひと通り覚えた頃にやってくるのは「役割のアンマッチ」です。

リーダーになりたいのになれない、アプリケーションエンジニアになりたいのにインフラエンジニアから異動できないといったキャリアビジョンを描くからこそ発生するギャップに苦しむケースがあります。

さらに「給与」「待遇」の面も気になり出します。先輩社員の給与を聞いて30歳・35歳になったときの給与が希望から離れすぎていると転職を含めて検討する人が多くいます。

③ 10~12年目の悩み

コーディングや設計、要件定義、プロジェクト管理までひと通り覚えるのが10〜12年目あたりという人は多くいます。

優秀なエンジニアが優秀なマネージャとはかぎりません。SIerには純粋なソフトウェアエンジニアとしてキャリアアップするキャリアパスがまだまだ整備されていない会社が多くあります。むしろそれが用意されているのは一握りと言っていいでしょう。

④ 20年目の悩み

40歳をすぎる頃には「組織マネージャになれなかった」「同期に大きく遅れをとった」という理由で悩む方が少なからいらっしゃいます。

出世ルートが見えてしまったり、そこからの自分の距離を客観視できるようになり、おおよその生涯年収が見えてくるといっても過言ではありません。自宅を購入したり、結婚して子どもがいると出費が重なり、悩む気持ちは痛いほどわかります。

SIerからの主な転職先

ここでは3つに分けてSIerのエンジニアが転職する場合の転職先を紹介します。

	キャリアパス	概要
1	自社に残る	現状の待遇に不満がなく、キャリアプランが明確であれば、自社に残って今後も成果をあげるのがもっとも有力な選択肢です。
2	SIer→SIerに転職する	現状3次請け以降で、待遇やキャリアに不満・不安があれば1次または2次請けのSIerへの転職が有効な選択肢になります。また、特定領域に強みがあるSIerも良いでしょう。 おすすめ転職エージェント マイナビITエージェント doda
3	ITコンサルファームに転職する	より上流工程を担当したい場合はコンサル系SIer（総合コンサルファームのIT部隊）に転職するのが有効な選択肢になります。 現職でプロジェクトマネージャを経験している、あるいは現在SIerで35歳未満である方は比較的採用のハードルが低いでしょう。 おすすめ転職エージェント アクシスコンサルティング
4	自社サービス企業に転職する	他社にシステムを納品するのではなく、自社製品・サービスを開発したい場合はSIerからパッケージベンダーへの転職が必要です。 おすすめ転職エージェント レバテックキャリア マイナビITエージェント
5	事業会社の社内SEに転職する	システムを提供するだけでなく、よりビジネス企画と密接に関わりたい、安定した環境で仕事がしたい場合は社内SEへの転職が有効です。 おすすめ転職エージェント レバテックキャリア 社内SE転職ナビ