35歳以上のエンジニアが社内SEを目指すにはどうすればいいか?
35歳以上のエンジニアが社内SEに転職するには、経験を活かし専門知識を深めることが重要です。記事では社内SEの業務内容や求められるスキル、転職に役立つ情報収集方法を解説しています。特に、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション力などが必要であり、経験豊富な35歳以上の方が有利とされています。
社内SEは、ITエンジニアの転職市場で非常に人気の高い職種です。わたし自身も社内SEに転職したときは競争倍率がなんと200倍でした。
人気職種は”若い人”の方が有利じゃない?
実は逆なんです。経験が求められる社内SEへの転職は35歳以上が有利です。わたし自身も35歳をすぎてから社内SEに転職しました。
この記事では、現役社内SEでエンジニアの中途採用を担当する私が社内SEの仕事内容と必要なスキルについて説明します。最後に社内SEへの転職を目指す方向けにおすすめの情報収集方法を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 情報システム部門のマネージャ職
- 社内SE採用担当歴6年(書類選考、面接)
- 大手SIer 10年以上の勤務経験
- 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
- 転職相談はX(Twitter)のDMでお気軽に!
社内SEとは
社内SEとは、企業や組織の中の情報システムに関わる企画・計画・導入/構築・保守/運用までを担当するシステムエンジニアのことです。
社内SEの仕事内容は企業や組織によってその役割分担が異なります。例えば、プログラミングまで社内SEが行う(内製する)場合もあれば、システム企画と導入プロジェクト管理だけという場合もあります。ここでは概ねつぎのような業務を行うんだという理解でOKです。
- システム戦略策定
- システム企画
- システム導入(システム開発含む)
- システム保守/運用
- PC等のIT資産管理
- ネットワークインフラ管理
- システム導入効果の評価
- 情報セキュリティ関連
- システムやPC、ネットワークのヘルプデスク
- デジタルトランスフォーメーション推進
- システム監査対応
社内SEの業務例
企業や組織によって社内SEの役割は異なりますが、ここでは代表的な業務例についてご紹介します。
業務例① システム企画/導入効果の評価
システム導入やシステムの大幅な入れ替えにおいては、システム企画フェーズがあります。ビジネス上の課題を明らかにして、競合他社や海外事例について調査をします。システム投資額とビジネスに与えるインパクトを算出し、これにはシステム導入後の費用と効果も含まれます。
つまり、ROI(Return On Investment)=投資収益性を算出します。そのため、「システム」にはアプリケーションだけではなく、サーバやネットワーク、ヘルプデスクを運用する人件費(あるいは委託費)を含めてすべての費用を意識した見積もりが必要になります。関係者の合意を得て、経営層の合意を得られてはじめてシステム企画が完了となります。
業務例② プロジェクトマネジメント
システム導入フェーズにおいては、導入プロジェクトの管理業務が発生します。プロジェクトの管理とはPMBOK(Project Management Body of Knowledge)に定義された業務と言えます。プロジェクト計画、進捗管理、品質管理、コスト管理、課題管理、リスク管理、コミュニケーション管理、調達管理などです。
SIerに勤務しているプロジェクトマネージャの報告先は「ユーザー企業の担当部門」であるのに対して、社内SEプロジェクトマネージャの報告先は「企業や組織内のプロジェクト責任者や経営層」である点は大きな違いです。さらにSIerに勤務するプロジェクトマネージャからは見えにくい「関係部門への働きかけ・ケア」も社内SEの仕事の一部と言えます。
業務例③ システム運用/保守
無事導入できたシステムには運用/保守が必要になります。システム利用者からの問い合わせや相談を受けるヘルプデスク業務、システム障害発生の検知と対応業務がこれにあたります。
さらに、変化するビジネス要件に合わせてシステムを改修したり、新たに導入された他システムとのデータ連携も発生します。システム導入後もROIを意識したコスト管理業務が必要になります。
さらに詳しく業務を知りたい人は…
「社内SE」と一言で表しても、そのなかには多くの職種があります。プロジェクトマネージャやインフラエンジニア、サービスマネージャなどです。その代表的な職種を解説していますので、あなたのキャリアを活かせる職種があるか確認してみましょう。
社内SEに求められる6つのスキル
では、社内SEとして活躍するにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか?概念として「技術力」「周囲を巻き込む力」が必要になりますが、ここではそれぞれ代表的なスキルについてご紹介します。
社内SEの中途採用選考でもこれらのスキルの有無を重視しています。転職を目指す方は自分のスキルと比べながら読み進めることをおすすめします。
技術力① プロジェクトマネジメント力
社内SEに求められる専門知識のうち、もっとも基本的で活用場面が多いのは『プロジェクトマネジメント力』です。社内SEが50名以上いるような大きな組織の中で担当者レベルの業務を行うなら別ですが、ほとんどの社内SEが自分に任されたプロジェクトを抱えています。
抱えているプロジェクトがある場合、予算やスケジュール、品質、リスクなどを管理しないマネージャはいないでしょう。プロジェクトを管理し、上席や経営陣に報告する必要があります。
技術力② RFP作成力
システムを自前で開発している場合を除き、システム調達のためにRFP(Request for Proposal)=提案依頼書を作成して、ベンダーに提案を依頼する必要があります。
「提案してください」では的はずれなシステムの提案ばかり出てきます。どのような目的のシステムで、どのような要望の、どういったスケジュール・予算で、といった項目をまとめたRFPを作成できるスキルが必要になります。
技術力③ フルスタックエンジニアリング力
社内SEが潤沢にそろっている企業は非常にまれなケースです。コスト部門である社内SEは常に不足しており、専門性だけではなく、幅広い知識と経験が求められます。そのため、フロントエンドにだけ特化したエンジニアより、サーバサイドもクライアントもWindowsもLinuxも、要件定義だけではなくプログラミングもわかる。そんな「フルスタックエンジニア」のスキルは重宝されます。
巻き込み力① コミュニケーション力
社内SEが活躍するのは社内にシステムを導入するときだけではありません。システム導入の前に社内の関連部署から相談があったり、課題の整理に付き合うことも多々あります。
そのため、社内SEはSIerに勤務するエンジニア以上にコミュニケーション力が求められます。普段から組織内の人間関係を築いておくことでトラブル対応やシステム導入で関連部署と仕事をスムーズに進めることができるようになります。
巻き込み力② 説明力
システムの導入や変更、システムトラブルにおいて、社内SEには説明力が強く求められます。なぜなら、SIerであれば周囲にはエンジニアが溢れていますが、社内SEが説明する相手は「非エンジニア」であるためです。
例えば、1つのシステム障害について説明する場合を想定すると、エンジニア同士であれば通じる言葉や理屈も非エンジニアにはまったく通じません。さらに、エンジニア同士であれば論理的に会話を進めることは当然ですが、相手が営業や間接部門である場合、理屈だけでは通じない場面にも遭遇します。
そのため、社内SEには文脈に合わせた適切な説明力が求められるのです。
巻き込み力③ 業務改革力
社内SEには業務を俯瞰して企業全体やビジネスプロセスを改革する「業務改革力」が求められます。部分最適なシステムは業務の担当部署の非エンジニアでも比較的かんたんに導入できるようになってきましたが、業務全体や部署を横断する業務にシステム導入する場合は、業務改革力が求められます。
これらはほんの一部のスキルです。体系立てて詳細に説明した『【社内SEスキル大全】即採用されるスキル習得のロードマップを解説!』をぜひ参考にしてください。
社内SEおすすめの転職エージェント
35歳をすぎてから社内SEを目指すなら、大手転職エージェントと社内SE専門エージェントを使い分けることをおすすめします。
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