【実体験】社内SE転職で年収300万円アップした3ステップを解説!

IT業界にいるけど年収が思いどおりアップしない……
先輩社員もあんまりもらってなさそう……

ITエンジニアの年収のお悩みって非常に多いですよね。わたしがSIerから社内SEに転職して年収300万円アップした方法をご紹介します

実はわたしも前職では年収に満足していませんでした。同じ努力をするなら、当時の会社ではなく年収に反映される場所で努力したいと考えたのが転職の動機の1つです。

では、どうすれば年収はアップするんでしょうか?資格取得?役職?スキルや経験でしょうか?

実はつぎの3つのステップで年収は大幅にアップするんです。実際にわたしは35歳を超えてから社内SEに転職し、約6年で年収700万円から約1,000万円までアップしました。

年収アップのための3つのステップ
  • 給与水準が高い業界へ転職する
  • 情シスの給与が社内平均と同等の企業を探す
  • 動かす金額の大きな役割を目指す
R35運営者の転職プロフィール
  • 情報システム部門のマネージャ職
  • 社内SE採用担当歴6年(書類選考、面接)
  • 大手SIer 10年以上の勤務経験
  • 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
  • 転職相談はX(Twitter)のDMでお気軽に!
目次

社内SEの平均年収は?

全年代の平均年収

社内SEの平均給与は『転職会議』によると485万円*のようです。国税庁による「民間給与実態統計調査」で給与所得者全体が約420万円〜440万円あたりであるのに比べると、少し45〜65万円程度高いことがわかります。

*2022年6月時点で810件の投稿から算出。4,200万円や3,500万円など入力ミスと思われる投稿もあり信憑性は少し低い可能性あり

年齢別の平均年収

転職会議』で社内SEの平均年収を年齢別に見ると、つぎのとおりです。

年齢別の社内SE平均年収
20代前半:337万円
20代後半:413万円
30代全般:526万円
40代以上:618万円

年齢別の年収の分布を知りたい方は、IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が公表している『全国情シス実態調査レポート2021』が参考になります。

大まかになりますが、20代は300〜500万円、30代は400〜600万円、40代は400〜700万円に偏っていることがわかります。

役割別の平均年収

社内SEの中にもいろんな職種のITエンジニアがいます。プロジェクトマネージャやシステムエンジニア、ヘルプデスクなどです。『doda』によるITエンジニアの役割別の平均年収はつぎのとおりです。

年齢別の社内SE平均年収
プロジェクトマネジャー:671万円
IT戦略/システム企画:576万円
システム開発/運用:467万円
ヘルプデスク:345万円

年収はどんな原理で決まるのか?

年収は複数の要素で決定されます。社内SEの場合、つぎの3点が強く年収に影響します。

年収決定の要素
① 業界の給与水準(業界の生産性)
② 社内SEがまっとうに評価される企業か
③ 動かす金額の大きさ

ここからは年収決定の3要素について、具体的に説明します

年収アップ① 給与水準が高い業界へ

当たり前ですが、社内SEの年収は所属企業の給与水準に大きく左右されます。そして業界の単位で給与水準は大きく異なります。

スクロールできます
ランキング平均給与が高い業界平均給与が低い業界
1位711万円 電気・ガス・熱供給・水道業288万円 宿泊業・飲食サービス業
2位632万円 金融業・保険業 337万円 農林水産・鉱業
3位587万円 情報通信業374万円 医療・福祉
業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額(令和2年調査)の数字を四捨五入

スキル/経験がまったく同じ2人の人物がいたと仮定して、給与水準が高い業界と低い業界にそれぞれ転職したら初任給は同じ給与になりますか?もちろん違います。

さらに、5年後。同じ努力をして同じように課長から部長に昇格したと仮定した場合、天井の高さに差はそのまま給与テーブルの1つ1つの階級・号俸に金額差に落とし込まれるため、選んだ業界によって昇給にも大きな差がうまれます。

業界選びにおいて、一般的に金融・証券やインフラは平均給与が高いと言われています。この点が気になる方は『35歳以上が社内SEへの転職で年収アップする方法!決め手は●●選び!』を参考にして、自分にマッチする業界を探してください。

年収アップ② 社内SEがまっとうに評価される企業か

年収アップしたいなら転職後の人事評価は重要です。

でも社内SE(情報システム部門)は企業の中でコスト部門と判断され、評価されにくい企業があります。また、それを前提に子会社へ出向させられないかも注意が必要です。

転職後も高く評価されるための注意点
① ブラック企業の社内SE求人ではないか?
② 情報システム部門が評価されにくい会社ではないか?
③ 情報システム子会社への出向が前提ではないか?

ブラック企業の社内SE求人ではないか?

転職で一番怖いのはブラック企業……

社内SEが評価される/されないの前に、そもそもブラック企業だと時間と努力を搾取されかねません。以下のポイントでしっかりと見極めましょう。詳細は『ホワイトか?ブラックか?社内SE求人の見分け方講座!』で解説しています。

① 求人情報からわかること
・業界の給与水準は低くないか?
・給与は相場と比べて低くないか?
・常に同じ求人情報を発信していないか?
・一人情シスではないか?
・業務内容は明確か?
・外部委託されやすい業務ではないか?

② 会社情報からわかること
・事業の将来性はあるか?
・従業員数は増えているか?
・求人の年収は会社の平均年収と比較して低くないか?
・CIO・CDOの役職はあるか?

③ 外部メディアからわかること
・ブラック企業リストに載っていないか?
・会社名、社長名でグレーな噂はないか?
・転職クチコミサイトの評判はどうか?
・事例インタビューでの経営者や情シス責任者の発言は?

④ 選考段階でわかること
・高圧的・事務的・お役所的やりとりはないか?
・あなたのスキル/経験を評価してくれるか?
・待遇の質問をしたときの反応はどうか?

情シスの求人給与が社内平均と同等か確認する

採用担当者が「社内SEは評価されない」なんて言うわけないですよね?

情報システム部門がまっとうに評価されているかを判断する方法があります。それはその会社の平均給与と求人の給与を比べることです。

会社の平均給与は上場企業なら有価証券報告書で確認できます。公式WebサイトのIR情報に掲載されています。社員の平均年齢や平均給与がわかったら、求人情報と比較しましょう。

求人情報にはモデル給与が掲載されているケースが多くあります。例えば、700万円(35歳)、850万円(40歳)というような書き方です。それらを平均年齢・平均給与と比較して大きな差がなければ、「評価に差がない会社」と言えます。

情報システム子会社がある場合

さらに、情報システム部門が子会社化されている場合も注意が必要です。入社後、即出向し、出向先の給与水準になるケースが考えられます。

求人情報に出向を前提としている旨が書いていないか確認しましょう。また、転職エージェントに登録している場合は過去そういった例がないかアドバイザーに確認するようにしましょう。

年収アップ③ 動かす金額の大きさ

社内SEがいる情報システム部門は企業の中でコスト部門であると考えられるのが一般的です。コスト部門の人事評価はあいまいになりがちで、それは成果が数値化しにくいためです。

でも数値化しやすく、経営に直結する数字を持っている社内SEは高く評価されがちです。それが「コスト削減額」です。

大きな金額を動かして評価される方法
① マネージャとしてシステムのランニングコストを低減
② 企画担当者として増収増益に貢献

担当者からマネージャを目指す

システムを安定的に低コストに抑えられる人材の評価は自然と高くなります。

では、大きなコスト扱っているのは情報システム部門の「担当者」でしょうか?当然「マネージャ」ですよね。担当者がダメと言っているのではありません。むしろコスト削減には担当者の努力が欠かせません。

でも、大きな金額の意思決定に関わっているマネージャの方がより大きなコスト削減にも責任を持てるポジションです。会社への貢献が見えにくいコスト部門において「削減したコストの額」は評価しやすい尺度になるんです。

システム運用から企画を目指す

企業のIT投資の70%は既存システムのランニングコストと言われています。ただ、この分野はアウトソーシングの対象になりやすいと言われています。実際に「システム運用・監視」「障害対応」「PC管理・キッティング」はアウトソーシング対象分野のTop3という調査結果もあります。

一方、「増収増益につながるシステム」「業界にこれまでなかったシステム」に関わることで、コスト削減ではなく「増収増益」に貢献できれば高く評価されやすいと言えます。

実際、アウトソーシングされにくい分野はこういった「企画」に係る仕事です。ここを目指して転職するのも年収をアップさせる方法の1つと言えます。

まとめ

この記事ではIT業界から社内SEへの転職で年収をアップする方法について3ステップで説明しました。実際にわたしが実践し、転職後6〜7年程度で年収700万円から約1,000万円までアップした方法です。

STEP
給与水準が高い業界へ

社内SEの年収は所属企業の給与水準に大きく左右されます。どんなに努力しても業界の給与水準を超えて評価されることはありません。それなら給与水準が高い業界に転職する努力の方が効率的です。

STEP
社内SEがまっとうに評価される企業か

コスト部門という理由で社内SEが評価されにくい企業は避けましょう。情報システム子会社への出向がある場合、その会社の給与水準をチェックしましょう。

STEP
担当者→マネージャ、運用→企画を目指す

年収アップのためには高く評価される必要があります。「動かす金額が大きい」ことで評価される傾向があります。保守マネージャで大きくコスト削減したり、運用から企画へ移って「増収増益」につながる仕事をすると効果的です。

①業界選び、②企業選び、③ポジション選び、どのステップにおいても転職時には転職エージェントから業界や企業の情報を入手するのがもっとも効率よく幅広い情報収集の手段です。(私は自前で調べて非常に時間がかかりました……)

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