情シスが活躍する会社特集!DX銘柄の求人の特徴を調べてみた

社内SE・情シスの求人って、保守的な“なんでも屋”でしょ?

ITエンジニアの間では、いまだにこんなイメージが根強く残っています。ヘルプデスク、PCのキッティング、ベンダーへの丸投げ管理。たしかにそういう情シスも存在します。

でも、それだけではありませんよ。

近年、事業会社の情報システム部門は「守り」から「攻め」へと役割を大きく変えつつあります。その最前線にいるのが、経済産業省が選定する「DX銘柄」の企業群です。

この記事では、DX銘柄2026に選ばれた30社を取り上げ、その情シス・社内SE求人にどんな特徴があるのかを調べてみました。

「新しい取り組みに挑戦したい」「上流から関わりたい」「ワークライフバランスも捨てたくない」そんな転職理由を持つみなさん向けに採用担当の視点も交えて、整理していきます。

目次

DX銘柄とは?

経済産業省WEBページから引用

DX銘柄(デジタルトランスフォーメーション銘柄)とは、経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構(IPA)が共同で選定する制度です。単なるIT導入ではなく、デジタル技術を活用して企業価値の向上を実現している上場企業を評価・公表するものです。

評価では、次のような観点が重視されます。

  • 経営戦略と連動したDXの推進
  • データ活用による意思決定の高度化
  • 事業モデルそのものの変革
  • 中長期的な企業価値向上への貢献

DX銘柄は成熟度や成果に応じて区分が分かれており、2026年は以下の構成で発表されました。

  • DXグランプリ:3社(特に優れた成果を上げた企業)
  • DX銘柄:27社
  • DX注目企業:17社

ポイントは、DX銘柄が「ITを“使う”企業」ではなく、「ITを中核にビジネスを“再設計”している企業」に集中している点です。つまり、これらの企業の情シスは、単なるコスト部門ではなく、経営に近い場所で変革をドライブする役割を担っている可能性が高い——ここに、求人を読み解くヒントがあります。

なぜ、DX銘柄企業ならスキルが積めるのか?

「社内SEに転職するとスキルが陳腐化するのでは?」という不安をよく聞きます。でもDX銘柄企業に限っては、むしろ逆のことが起きやすいと言えます。理由は3つです。

① 新しい取り組みが多い

DX銘柄の選定基準そのものが「事業モデルの変革」「データ活用の実装」です。裏を返せば、選ばれる企業は恒常的に新しいプロジェクトを走らせていると言えます。

既存システムの保守運用だけでなく、AI導入・活用、データ基盤構築、システム内製化、業務プロセス改革といった、市場価値の高い経験を積める機会が多くあります。

近年はDXのスピードに外注が追いつかず、開発を内製化するトレンドも強まっています。実際に、ニトリ・SUBARU・クボタ・住友化学など、内製チームを数倍規模に増強した事例が相次いで報じられました。DX銘柄企業の情シスなら、こうした「作る側」に回れる可能性が高いのです。

② 経営陣がIT投資に積極的

DX銘柄の評価では「経営層がDXを主導しているか」が問われます。IT部門任せではなく、経営テーマとしてDXが位置づけられているのがDX銘柄の特徴です。

これは現場のSEにとって大きな意味を持ちます。IT投資に前向きな経営陣がいるということは、予算がつきやすく、新しいツールや技術に挑戦できる環境があるということ。「提案しても予算が下りない」「塩漬けシステムを延命し続けるだけ」といった停滞感の少ない職場である可能性が高いと言えます。

③ 人材採用にも積極的

DXを推進するには人が要ります。DX銘柄企業は、デジタル人材の採用・育成にも積極的です。人材育成の観点でも、東京商工会議所の調査では大企業は100%が「人材育成に取り組んでいる」と回答(中小企業は78%)しており、成長への投資余力があります。

情報システム部門は本来、コスト部門ゆえに教育コストを削られやすい傾向があります。しかしDX銘柄クラスの企業であれば、研修制度や資格支援、外部登用などにリソースを割ける余裕があり、入社後も成長し続けられる環境が整っているケースが多いのです。


DX銘柄2026リスト(全30社)

DX銘柄2026に選定された30社(DXグランプリ3社+DX銘柄27社)の一覧です。各社の待遇データはOpenWorkの数値を転記してご活用ください。

DXグランプリ企業(3社)

企業名業種求人平均年収残業時間
(時間/月)
有給消化率人材の
長期育成
ブリヂストンゴム製品
801万円28.4h65.5%2.7
ミスミグループ本社卸売業

761万円32.2h59.0%2.7
三井住友フィナンシャルグループ銀行業
26.7h73.0%3.1
平均年収、残業時間、有給消化率、人材の長期成長はOpenworkデータを引用(2026年7月26日時点)

DX銘柄2026(27社)

企業名業種求人平均年収残業時間
(時間/月)
有給消化率人材の
長期育成
キリンホールディングス食料品

767万円30.2h62.3%3.2
旭化成化学

733万円23.1h75.2%3.6
花王化学726万円24.6h76.9%2.8
富士フイルムホールディングス化学

31.3h61.0%3.3
武田薬品工業医薬品1,048万円21.6h66.0%2.8
塩野義製薬医薬品

749万円20.9h65.5%2.8
中外製薬医薬品

1,043万円23.0h63.2%4.0
第一三共医薬品
866万円23.7h76.4%3.6
AGCガラス・土石

777万円26.1h69.7%3.1
オムロン電気機器

777万円19.0h52.6%2.5
NEC(日本電気)電気機器

692万円27.3h58.6%3.3
富士通電気機器

737万円28.2h63.1%3.3
TDK電気機器

669万円21.4h64.2%2.7
大日本印刷その他製品
620万円27.1h60.2%3.2
関西電力電気・ガス

680万円24.4h87.7&3.3
JR西日本(西日本旅客鉄道)陸運

504万円15.7h78.0%2.7
SGホールディングス陸運

468万円32.1h69.6%2.5
三井倉庫ホールディングス倉庫
698万円28.1h47.9%2.7
NTT(日本電信電話)情報通信
785万円21.3h91.2%3.6
双日卸売

1,024万円30.1h74.1%3.6
伊藤忠商事卸売
1,360万円38,1h62.8%3.8
セブン銀行銀行

687万円22.9h81.1%2.7
東京海上ホールディングス保険

47.7h53.2%3.3
クレディセゾンその他金融

514万円16.3h72.4%2.6
東急不動産ホールディングス不動産

22.8h94.4%3.2
パソナグループサービス

457万円26.7h69.9%2.7
パーソルホールディングスサービス

740万円28.6h68.3%2.3
平均年収、残業時間、有給消化率、人材の長期成長はOpenworkデータを引用(2026年7月26日時点)

DX注目企業2026(17社)

企業名業種求人平均年収残業時間
(時間/月)
有給消化率人材の
長期育成
清水建設建設業
804万円40.7h55.2%3.1
大和ハウス工業建設業
693万円30.6h49.9%2.6
JFEホールディングス鉄鋼
三菱マテリアル非鉄金属

623万円19.6h69.4%2.7
ダイキン工業機械
668万円23.2h92.0%2.8
IHI機械

671万円23.7h59.9%3.0
アズビル電気機器
624万円20.1h73.3%2.9
リコー電気機器
752万円20.0h71.4%3.0
アイシン輸送用機器
660万円23.6h93.7%2.7
ヤマトホールディングス陸運業
25.6h65.0%2.9
アジア航測空運業
565万円35.1h70.7%2.3
いい生活情報・通信業
465万円29.8h73.8%2.4
マクニカホールディングス卸売業

636万円31.1h59.9%3.1
トリドールホールディングス小売業598万円33.6%58.8%2.1
丸井グループ小売業

515万円10.1h67.8%3.3
ふくおかフィナンシャルグループ銀行業

29.0h64.5%2.8
三菱地所不動産業

1,027万円32.567.7%3.8
平均年収、残業時間、有給消化率、人材の長期成長はOpenworkデータを引用(2026年7月26日時点)

DX銘柄が求める人材像——共通する5つの特徴

DX銘柄企業の中途採用ページ(デジタル人材・社内SE・DX推進職)を横断的に見ていくと、求める人材像には共通点が見えてきます

ここでは代表的な5つを、「社内SEとして働くうえでなぜ重要か」という視点で解説します。

① ビジネスとITの“橋渡し”ができる人材

DX銘柄企業の求人でもっとも頻出するのが、「業務・事業を理解し、ITと橋渡しできる人材」という要件です。技術一辺倒でも、業務一辺倒でもなく、両者を翻訳して動かせる人が求められます。

これが社内SEにとって重要なのは、情シスの仕事の本質が「業務部門の困りごとをITで解決すること」だからです。どれだけ高度な技術を持っていても、経理・人事・生産管理といった業務の言葉が通じなければ、要件定義も導入もうまくいきません。

逆に、業務の専門用語が通じ、現場の痛みを理解しているSEは、それだけで業務部門から一気に信頼されます。DX銘柄企業は事業への貢献を強く求めるため、この「橋渡し力」がそのまま評価軸になります。SIer出身者なら、上流工程やユーザー折衝の経験をここに接続してアピールできると強いでしょう。

② DX・システム内製化をリードした経験

2つ目は、「DX推進」や「システム内製化」をリードした経験です。外部委託の管理だけでなく、自社主導でプロジェクトを企画・推進した経験が高く評価されます。

これが重要なのは、DX銘柄企業の情シスが「守りの運用」から「攻めの変革」へと軸足を移しているからです。変化の速いDX領域では、見積り・契約・検収という従来の外注フローではスピードが追いつかず、内製で回せる人材の価値が急上昇しています。

「言われたものを作る」から「何を作るかを決めて主導する」へ——このシフトを経験している、あるいは志向するSEにとって、DX銘柄企業はまさに主戦場です。逆に、この経験を積みたい人にとっては絶好の成長環境と言えます。

③ データを使って意思決定できる力

3つ目は、データ活用・データドリブンで物事を判断し、改善に結びつけられる力です。DX銘柄の評価基準そのものが「データ活用の実装」であるため、求人でもデータ分析・データ基盤の経験が重視されます。

社内SEにとってこれが重要なのは、これからの情シスが「システムを入れる部門」から「データで経営を支える部門」へ進化していくからです。全社データの一元管理、ダッシュボードによる可視化、分析に基づく業務改善——こうした取り組みは、いまやDX銘柄企業の情シスの中核業務になりつつあります。

データ分析によってビジネス改善をリードした経験があれば、大手企業も十分に狙えるレベルです。バリバリの機械学習エンジニアである必要はありません。「データを見て課題を特定し、施策につなげた」という経験こそが、DX銘柄企業で評価されるポイントです。

④ プロジェクトマネジメント/ベンダーマネジメント経験

4つ目は、プロジェクトマネジメント(PM)とベンダー管理の経験です。DX銘柄企業に限らず社内SEに最も求められるスキルの1つですが、DX銘柄企業では特に大規模・全社横断のプロジェクトを任される機会が多くなります。

これが重要なのは、社内の業務システムは6〜10年に一度の大規模リプレイスがあり、その計画・契約・進捗管理・課題管理のすべてでPMスキルが問われるからです。35歳以上の転職では、入社後すぐに1人で複数プロジェクトを回すことも珍しくありません。

PMBOKやアジャイル/スクラムの知識に加え、複数ベンダーを束ねて成果を出した実績があれば、即戦力として高く評価されます。DX銘柄企業は投資規模が大きいぶん、任されるプロジェクトのスケールも大きく、PM経験を一段引き上げるチャンスがあります。

⑤ 主体性・自律性と、変化への適応力

5つ目は、自ら課題を見つけて動ける主体性と、変化を前向きに受け止める適応力です。DX銘柄企業の求人票には「自律的に」「変革をリードする」「チャレンジ精神」といった言葉が頻出します。

これが社内SEにとって重要なのは、情シスの仕事がSIerのようにWBSでガチガチに管理される世界ではないからです。マルチタスクで優先順位が急に変わり、誰かが指示を出してくれるわけでもない。

だからこそ「自分で考えて動ける人材」が強く求められます。とりわけDX銘柄企業は新しい取り組みが多く、正解が用意されていない仕事に向き合う場面が増えます。指示待ちではなく、自ら問いを立て、周囲を巻き込んで前に進められる人が活躍します。裏を返せば、明確な指示のもとで動きたいタイプには負荷が大きい環境でもあり、この点は後述の「注意点」にもつながります。

社内SEへの転職を成功させるなら

では、DX銘柄に選出されるような先進的な取り組みを行っている企業の社内SEに転職するには具体的にどのようなスキルが必要になるのでしょう。

選考の難易度が高くなるだけで、やるべきことは変わりません

情シスのタイプ」によって異なりますが、社内SEに必要なスキルは概ね以下の5点に集約できます。

社内SEに求められる5つのスキル群
① 基礎スキル
② 対システムスキル
③ 対業務部門スキル
④ 対チームスキル
⑤ 対経営層スキル

それぞれさらに2段階ほど詳細化できる広いワードで定義していますが、すべてを兼ねそろえている必要はありません。特に20代なら①②だけで十分ですし、30代でも③まであれば転職は可能です。30代で④⑤のスキル/経験があれば合格率はグッと高まります。

それぞれをもっと詳しく知りたい方は『【社内SEスキル大全】即採用されるスキル習得のロードマップを解説!』を参照してください。

他にもスキルの証明として資格を持っていることで書類選考を通過する可能性が高くなります。

こちらも「情シスのタイプ」によって求められる資格は異なり、かつ、あなたの立場(未経験者、メンバークラス、管理職クラス)によっても評価される資格が異なります。

現在あなたが持っている資格がどの程度評価されるのか、『社内SEに必要な資格20種類をランキング!おすすめの資格を難易度別に紹介!』はランキング形式で紹介しているので、一度確認してみてください。

転職テクニック

社内SEの求人倍率は高い

DX銘柄に選ばれるような人気企業の社内SEは狭き門です。求人を定期的にチェックして、あなたの強み/実績に合致する案件を選びましょう。

社内SEの求人を多く持つ転職エージェントは企業側の情報システム部門がどのような人材を求めているかを把握しているので、転職エージェントから社内SE転職の情報やノウハウを収集しながら志望企業を探すのが近道です。

志望企業探し

社内SEに求められるスキル/経験とあなた自身のスキル/経験を確認したら、実際の求人を検索したり、転職エージェントへ希望を伝えてマッチする企業を紹介してもらいましょう。

気をつけたいのは、社内SEの求人のなかにブラック企業やそれに近い可能性が高い求人が混ざっている点です。ホワイトなSIerを目指していた方なら、企業や求人の情報をもとにホワイトかブラックかを見定めながら転職活動しないと、書類選考や面接は貴重な時間のムダ使いになります。

書類選考&面接対策

志望企業が決まれば、あとは1〜2ヶ月程度でなるべく多くの志望企業に同時並行で複数応募することをおすすめします。最終的に内定を複数持った状態で選択できるためです。

SIerに提出する応募資料(職務経歴書やエントリーシート)とは明らかに求められるものが異なりますので、面倒だからといってコピペするとおどろくほど書類選考や面接で落ちます。社内SE用の書類・面接対策が必要になります。

転職エージェントの利用がベスト

あなたの現職が社内SEではないかぎり、社内SEに転職するなら転職エージェントを利用することを強くおすすめします。

なぜなら、応募する企業毎に「情シスのタイプ」が異なり、求められるものが異なるためです。そうすると、同じ武器(職務経歴書や面接対策)では戦えず、企業毎に分析・自分の強み整理・対策が必要になってしまいます。

転職エージェントは、企業側の「情シスのタイプ」をよく理解しているため、似た条件のなかでもあなたにマッチした企業をおすすめすることができるんです。

他にも社内SEへの転職なら、転職エージェントおすすめする理由がありますので、まだ利用をとまどっているなら『社内SEの転職エージェントの選び方|登録前後のチェック観点と対処を解説!』をぜひ読んでみてください。転職エージェントを使う/使わないで書類選考の通過率が大きく変わる人が多くいますよ。

社内SE専門の転職エージェント

「社内SEの魅力」を一番よく知っているのは、社内SEへの転職に特化した転職エージェントです。専門の転職エージェントなら『社内SE転職ナビ』がおすすめです。

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