狭き門?社内SEへの転職が難しいと言われる理由と成功のポイントを解説!
社内SEは、転職を目指すITエンジニアから人気の職種です。でも社内SEへの転職は難しいと言われます。
なぜ、難しいの?
難しい理由は主に4つあります。でも転職を成功させるための正しい対策があるんです。その点についてもこの記事で解説します。
この記事では、社内SEへの転職が難しい理由と転職を成功させるためのポイントを解説します。なお、わたし自身もSIerから倍率200倍の大学社内SEポジションに転職しました。現在は中途採用の選考を担当しているので、どのような方法が狭き門を通過しやすいのか併せて解説します。
- 難しい理由は「人気職」「応募枠の少なさ」「スキルのミスマッチ」「年齢が限定的」
- 高倍率な社内SEへの転職を成功させるポイントは「狙いを定める」「省エネ求人探し」「現場IT人材」
- ITエンジニア職の中途採用を担当(書類選考、面接)
- 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
- MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
- 35歳をすぎて倍率200倍の私立大学職員へ転職成功
- 情報システム部門で管理職&プロジェクトマネージャ
なぜ、社内SEへの転職は難しいのか?
社内SEへの転職が難しいと言われる理由は主に4つあります。
社内SEへの転職が難しい理由
1. 社内SEが人気職のため
2. 応募枠が少ないため
3. 求める人材のミスマッチが起きやすいため
4. 望ましい年齢が限定的なため
理由① 社内SEが人気職のため
1つ目の理由は、社内SEが転職先として人気であるからです。転職を希望するITエンジニアのうち43%が「社内SEを希望」しており、「社内SEも選択肢の一つ」と回答した32%と合わせると75%、つまり4人中3人が社内SEへの転職を考えているんです。
転職を希望するITエンジニアの方に人気の高い社内SE。過去に行ったdodaの登録時のアンケートでは、転職先の職種として「社内SEを希望している」(43%)、「社内SEも選択肢の一つ」(32%)、「社内SEを希望しない」(25%)となっており、社内SEを希望するエンジニアは7割以上に及ぶことが分かります
doda 「社内SE転職が難しい理由|採用傾向・倍率」https://doda.jp/engineer/guide/inhousese/trend.html
大手メーカーの場合、社内SE1名の募集枠にわずか2週間に500人以上が応募したという情報もあり、その人気の高さがうかがえます。
これほど社内SEが人気職である理由は、残業の少なさや転勤の少なさといった「労働環境」、システム企画やシステム選定などの「やりがい」、そしてベンダー側からユーザー側に移ることで新たな視点が得られる「キャリアアップ」の面が挙げられます。詳細は『社内SEは勝ち組か!?人気職種と言われる10の理由と実態を解説!』で解説していますので、興味があれば参考にしてみてください。
理由② 応募枠が少ないため
2つ目の理由は、社内SEの応募数がそもそも少なく倍率が高いからです。社内SEが所属する情報システム部門は事業会社の中のコスト部門です。そのため、情報システム部門の人員を少なく押さえたいと考える企業が多いのです。
そのため、社内SEは欠員に対して中途採用を募集することが多く、SIerや総合コンサルのように10名、100名と積極採用するわけにはいかないのです。
理由③ 求める人材のミスマッチが起きやすいため
3つ目の理由は、求めるスキルと求職者のスキルのミスマッチが起きやすいからです。
仮に、奇跡的に倍率の低い求人募集があり、あなたがエンジニアとしてハイスペックなキャリアを積んできたとします。それがSIerのITエンジニア募集ならあなたはほぼ間違いなく採用されるでしょう。でもそれが社内SE募集なら落とされる可能性があるんです。
なぜなら、社内SEに求められる役割は企業ごとで大きく異なり、あなたのスキル/経験がマッチするとは限らないからです。情報システム部門がいくつかのタイプに分類され、求められるスキル/経験が異なる点については『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』で解説しています。
理由④ 望ましい年齢が限定的であるため
4つ目の理由は、社内SEの中途採用は「即戦力、かつオールラウダーななんでもできる人」が求められるからです。
情報システム部門は事業会社の中のコスト部門のため、人材育成にコストをかけられない、あるいは人件費予算はあってもOJTできる時間的余裕がなく、その結果、即戦力を中途採用に求めるという構図になっています。
会計システムの要件定義もできるし、ネットワークもセキュリティもわかる、大きなプロジェクトならベンダーマネジメントもするし、かんたんなツールならコーディングしてツールも作れるというような人材と言えば、その要求レベルの高さがわかると思います。
これを高いレベルでクリアできる人材は20代にはほぼ見つかりません。一方、50代となると手が動かない人材が多いため難しくなってきます。自然と30代中盤から40代あたりに絞られてしまい、年齢(正確には幅広いスキルセット)の壁があることがわかります。
狭き門に合格するための成功のポイント
理由を聞けば聞くほど、社内SEに転職するのは難しそう…
ポイントを押さえれば、社内SEへの転職をグッと近づけられますよ!
ここからは狭き門に合格するためのポイントを3つのステップに分けて解説します。
① 志望企業の情シスを徹底分析してスキルや年齢のミスマッチを避ける
35歳以上のみなさんは、基本的に仕事が忙しく「数撃ちゃ当たる」で総当りする時間はないはずです。
だからこそ、まずは自分にマッチする情報システム部門のタイプを見つけて狙い撃ちましょう。繰り返しになりますが、情報システム部門は企業によって異なります。あなたのスキル/経験にマッチする企業を絞り込み、それ以外には応募しない戦略を採るべきです。
例えば、「DXの推進を中心とするタイプ」もあれば、要件定義以降をSIerに委託して「ベンダーコントロールが業務の中心であるタイプ」もあり、情報システム部門のタイプ/形態はさまざまです。いくつかの代表的なタイプについて『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』で解説しています。
タイプ分析で自分が狙うタイプが特定できたら、求められるスキル/経験に落とし込んでアピールできるようにあなたの職務経歴を整理しましょう。そのタイプ分析・ニーズ分析の方法については『社内SE転職を目指す35歳からの職務経歴書の書き方!採用担当が解説!』で詳細に解説しています。
② 求人は省エネで探して、応募は全力で
でも情シスのタイプなんて外からじゃわからないですよね
情報システム部門のタイプを方法は『社内SE転職を目指す35歳からの職務経歴書の書き方!採用担当が解説!』で解説していますが、大きく分けて3つの方法があります。
情報システム部門のタイプを知る方法
1. 転職サイトの求人情報から知る
2. 大企業ならシステム導入事例記事から知る
3. 社内SE専門の転職エージェントから知る
あなたのスキル/経験にマッチした求人がどの程度あり、具体的に何が求められるのかを知るためには、転職サイトで求人情報を探してみるのが手っ取り早いですね。例えば、転職サイトdodaで検索してみましょう。
検索方法
技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア) > 社内情報システム(社内SE)
志望企業の情報システム部門のタイプを知るには、具体的な事例を知るには「企業名 システム導入 事例」でGoogle検索すると、その企業が過去に導入したシステムの事例紹介ページがヒットするケースがあります。記事には情シス担当者や責任者がコメントを寄せていますので、どのようなポリシーがあるか、どのような人材が活躍するのかを知ることができます。
さらに省エネであなたのスキル/経験にマッチする求人を探すには、社内SE専門の転職エージェントサービスを利用すると良いでしょう。社内SEへの転職を専門に扱っているため、志望企業の情報システム部門が求める人材を把握したアドバイザーがアピールすべきスキル/経験を教えてくれます。外から調べているあなたより、実際に情シス担当者が求める人材像をヒアリングしているアドバイザーの方が情報量が多いのは間違いないでしょう。もちろん無料で面談・紹介を受けられます。
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③ 難しいなら狙いを『現場IT人材』へシフトする
志望企業の情報システム部門への転職倍率が高すぎる場合は、社内SEではなく『現場IT人材』へ狙いをシフトする方法があります。
ここまで「社内SEは高倍率」と説明してきましたが、それは経済産業省のレポート『IT人材需要に関する調査』(下図)で説明される部分で言うと黄色の部分です。一方、近年ではユーザー企業の情報システム部門以外にもIT人材(下図のオレンジ部分)が求められています。
具体的にはDX推進や業務改革推進の担当者の求人です。現在、IT人材はITスキルよりもプロジェクト経験を求められます。「ITスキルには自信がないけど、現職の業務改革、業務改善プロジェクトの経験を生かしたい」という方は現場IT人材として志望企業への転職を果たし、活躍したのちに情報システム部門を目指すという方法もあります。
まとめ
この記事では社内SEへの転職が難しいと言われる理由を4つにまとめて紹介しました。
社内SEへの転職が難しい理由
1. 社内SEが人気職のため
2. 応募枠が少ないため
3. 求める人材のミスマッチが起きやすいため
4. 望ましい年齢が限定的なため
でも難しい理由に対して戦略的に転職活動をすることで成功を近づけることができます。
情報システム部門は企業ごとでタイプが異なりますので、あなたのスキル/経験にマッチするタイプの情報システム部門を見つけましょう。3つあります。①転職サイトで具体的な求人情報で知る、②システム導入の記事で知る、③社内SE専門の転職エージェントで知るという方法です。
タイプがわかったら転職エージェントからマッチする企業を紹介してもらいましょう。外から調べているあなたより、実際に情シス担当者が求める人材像をヒアリングしているアドバイザーの方が情報量が多いのは間違いないでしょう。
最後に、どうしても志望企業の情報システム部門への転職倍率が高くてあきらめざるをえない場合は、現場IT人材としてDX推進や業務改革推進での転職を目指す方法もあります。