社内SE転職を目指す35歳からの職務経歴書の書き方!採用担当が解説!
社内SEへの転職で書類選考がなかなか通過できない人、多いのではないでしょうか?実際に中途採用の書類選考を担当している立場でも「この職務経歴書なら他でも落ちるな」と感じる場面があります。一方で、「この職務経歴書ならどこでも通るだろう」と感じて通過させることがあるのも事実です。
「どこへ行っても落ちる」「どこへ行っても通る」という2つの職務経歴書にはどのような違いがあるのでしょうか?
職務経歴書を「事実を並べるだけ」と思っていませんか?
結論は、つぎのポイントを押さえているか?です
- 志望企業が求めるスキル/経験を理解しているか?
- それを事実ベースで伝えているか?
- アウトプット(成果物)ではなく、アウトカム(成果)を伝えているか?
- 前職/現職でのアウトカムの再現性を証明しているか?
- ITエンジニア職の中途採用を担当(書類選考、面接)
- 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
- MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
- 35歳をすぎて倍率200倍の私立大学職員へ転職成功
- 情報システム部門で管理職&プロジェクトマネージャ
社内SEの職務経歴書の基礎
社内SEへの転職を目指す方が職務経歴書で書くべき項目は以下のとおりです。多くの企業では所定のフォーマットを用意していますが、自由記述の場合はテンプレートを利用するのも良いでしょう。
- 過去に経験したプロジェクトの概要(どのようなシステムか、規模(金額・工数)等)
- 担当した役割(プロジェクトマネージャ、アプリエンジニア等)
- 担当した工程(提案、要件定義、設計、プログラミング、検証、保守/運用等)
- プロジェクト内での業務内容(提案書作成、予算管理、進捗管理、設計工程計画、PMO等)
- 求められた技術要素(OS、開発言語、ミドルウエア、ソフトウェア等)
でも、重要なのは列挙するだけではダメという点です!
では、列挙するだけではない『採用担当者が読み進めたくなる職務経歴書』の作り方について解説します。
職務経歴書の作り方
『採用担当者が読み進めたくなる職務経歴書』を一言であらわすと、『相手の関心事に沿った職務経歴書』です。
面接で会って話さないと相手の関心事はわからないんじゃない?
大丈夫です。つぎのステップに沿って考えていきましょう。
企業によって求められるスキル/経験は異なります。でも、求人情報や志望企業の情報システム部門のタイプを知ることで求められるスキル/経験を把握することができます。分析方法は後述します。
つぎに、あなたのスキル/経験を相手のニーズに沿う内容で抽出しましょう。やみくもに抽出するのではなく、相手が関心を持つ内容だけ抽出します。
ここからは「すべての採用担当者に共通する関心事」です。
スキル/経験が抽出できたら、それらを使って発揮した成果をアピールできるように整理しましょう。
最後に、あなたのスキル/経験、成果が志望企業においても発揮できることを証明しましょう。証明のために必要な要素を職務経歴書に書き加えましょう
それぞれのステップを詳細に解説します。
STEP1 求められるスキル/経験の分析
事実だけを並べる職務経歴書を卒業するには、まず相手が中途採用になにを求めているかを把握しましょう。ニーズを把握するには相手の情報システム部門に関する情報収集が必要です。
- 情報システム部門のタイプ分析
- システム導入記事の検索
- 求人情報のニーズを分解
① 情報システム部門のタイプ分析
まっさきにやるべきことは志望企業の情報システム部門のタイプ分析です。社内SEの仕事は多岐にわたりますが、社内SEの役割は会社によって大きく異なります。「システム構築と運用だけやる御用聞きタイプ」「企画と要件定義はやるけど、その後はベンダーへすべて委託するタイプ」「すべて自前でプログラミングまでやるタイプ」などです。
志望企業の情報システム部門のタイプを知ることで、あなたがアピールすべきスキル/経験は変わってきます。まずはタイプ分析からはじめましょう。タイプの例は詳細記事『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』をご参照ください。
② システム導入記事の検索
志望企業の情報システム部門がどのようなポリシー・理念を持ってシステム投資をしているのかは「システム導入の事例記事」に最もあらわれます。多くの導入事例記事では、システム部長・課長とシステム担当者がインタビューに答えています。
インタビューからポリシーや役割分担、情報システム部門に求められるスキル/経験を推測しましょう。
③ 求人情報のニーズを分解
最後に、求人情報から分析する方法をご紹介します。求人情報はもっともニーズがあらわれやすい箇所ですが、求人情報に書かれている情報がすべてではありません。
例えば、「海外現地法人へのシステム導入経験」を求められたとしても、必ずしもこの経験がなくてもOKというケースが多々あります。求人情報を分解する・抽象化することであなたの経験をマッチさせることができます。
STEP2 スキル/経験の事実整理
STEP1で求められるスキル/経験を把握したら、それこそが志望企業側の関心事になります。関心事に沿ってあなたのスキル/経験を事実ベースで整理しましょう。
例えば、「プロジェクト管理経験」1つをとっても、相手の関心事が「海外案件の経験」ならオフショア開発へ委託した経験を詳細化すべきですし、相手の関心事が「短納期」ならQCDをしっかりと遵守した経験を詳細化すべきでしょう。
STEP3 スキルの発揮度合いのアピール
志望企業の関心事に沿って事実ベースであなたのスキル/経験を列挙したら、続いてあなたがスキルを発揮したことでどのようなアウトカム(成果)を生み出したのかを数字を用いて書き添えましょう。
どのようなアウトプット(成果物)ができるのかアピールする候補者がいますが、35歳以上になるとそれだけでは不十分です。採用担当者の関心はあなたが生み出せるアウトプット(成果物)ではなく、アウトカム(成果)です。
例えば、「要件定義書が作成できます」「プロジェクトマネージャができます」と成果物や役割をアピールするのではなく、「要件定義書を担当し、システム導入後に原価率20%の低減に寄与しました」「プロジェクトマネージャとして計5案件、計30億円のシステム導入を管理して、品質・コスト・納期ともすべて達成してきました」と成果をアピールしましょう。
アウトカム(成果)のアピール方法については別記事『35歳以上で社内SE転職するなら、成果物ではなく成果を数字で語ろう!』で詳細に解説していますので、ぜひ参考にして職務経歴書を作成してください。
STEP4 再現性の証明
ここまで、志望企業側のニーズを正確に把握し、それに沿ってあなたのスキルでどのような成果(数字)をもたらしてきたのか説明すれば、採用担当者の関心事は最後の1つ絞られます。
それが「この成果をうちでも発揮してくれるのか?」という点です。つまり、あなたが過去の成果を生み出せたのは所属する会社の看板、会社の仕組みに乗っかっていたからでは?という疑問に回答する必要があるのです。
再現性の証明方法については別記事『中途採用の面接では「再現性」を証明すべき!自己PRの具体的な流れを解説!』で詳細に解説していますので、ぜひ参考にして職務経歴書を完成させてください。
まとめ
この記事では、35歳以上が社内SEへの転職を目指すときに、どこへ出しても書類選考に落ちないための職務経歴書の書き方について解説しました。
職務経歴書を書くためのステップはつぎの4つです。
- 志望企業が求めるスキル/経験を分析(情シスのタイプ、導入事例記事の検索、求人情報の分解)
- スキル/経験の事実整理(まずは事実ベースで整理)
- スキルの発揮度合いのアピール(成果物ではなく、もたらしたビジネス上の成果を数字で表現)
- 再現性の証明(あなたが志望企業でもその成果を再現できることを証明)
35歳まではあなたのポテンシャルが高ければ職務経歴書に至らない点があっても通過してきたでしょう。でも35歳以上になると、あなたには即戦力であることを書類でアピールできることが求められます。
職務経歴書の作成には転職エージェントのアドバイスも有効です。ぜひ社内SE専門の転職エージェントに登録して志望企業のタイプ分析や職務経歴書作成のアドバイスをもらいましょう。