メーカー系SIerランキング!気になるメリットや将来性を解説

メーカー系SIerって、結局ハードを売る会社なんじゃないの?

そう思っている方は、数字を見ると驚くかもしれません。富士通・日立・NECの御三家は、いずれもIT/デジタルサービス部門だけで売上2兆円超。しかもグループ全体の利益の大半を、この部門が稼いでいます。

一方で、メーカー系には「本体と子会社で待遇がまったく違う」「自社製品ありきの提案になる」といった、このタイプ特有の落とし穴もあります。

今回はおもなメーカー系SIerを調査しました。売上高や平均年収だけでなく、いま業界で起きている「子会社の本体への再統合」という大きな地殻変動まで、転職者目線で解説します。

わたし自身、大手SIerに10年以上いました。メーカー系は「入る会社」より「入る階層」で人生が変わります

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  • 社内SE採用担当歴9年(書類選考、面接)
  • 大手SIer 10年以上の勤務経験
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目次

メーカー系SIerとは?

メーカー系SIerとは?

SIerとはシステムインテグレーターの略で、システムの要件定義、設計・開発、保守までを請け負う企業を指します。

そのなかでも、コンピュータハードウェアメーカー本体、あるいはその資本が入ったシステム子会社をメーカー系SIerと呼びます。

代表的なメーカー系SIerには、富士通、日立製作所、NEC、日本IBM、および富士通Japan、日立システムズ、NECソリューションイノベータといった系列会社があります。

もともとは「自社が納入したコンピュータのソフトウェアを開発・保守する部隊」が出発点です。そのためハードウェアとソフトウェアをセットで提案できるのが伝統的な強みで、官公庁や金融機関の大規模システムに強い会社が多くなっています。

種類概要企業例
メーカー系SIerコンピュータハードウェアメーカー、あるいはその資本が入った子会社。

親会社が受注した案件のなかのシステム開発部分、システム保守部分を請け負う。
富士通
富士通Japan
NEC
NECソリューションイノベータ
日立製作所
日立システムズ
日本IBM
ユーザー系SIer事業会社のシステム子会社。

事業会社の情報システム部門が子会社化してできたもので、親会社やグループ企業のシステム導入や開発、保守を行う。

親会社以外にもサービスを販売する(”外販”)ケースが多い。
NTTデータ
伊藤忠テクノソリューションズ
SCSK
三菱UFJインフォメーション・テクノロジー
独立系SIerどこの資本にも強く影響されない・属さないSIer。メーカー系でもユーザー系でもないため、当然親会社から仕事を受注することはない。一方で、「このハードで提案しないといけない」などの制約は少ない。大塚商会
TIS
BIPROGY
富士ソフト
DTS
コンサル系SIer総合コンサルファームやいわゆる”総合研究所”と名のつく会社のシステム部隊。システム企画や要求分析といった上流を受注したコンサルファームが、そのまま設計や実装やテストといった下流工程も担当するケースが直近10年程度は増えている。アクセンチュア
野村総合研究所
日本総合研究所
アビームコンサルティング

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業務内容

メーカー系SIerの業務範囲は、他のSIerと同じく要件定義から開発、保守・運用までです。

ただし、メーカー系には「階層」がはっきりあるという特徴があります。

階層役割代表例
① メーカー本体顧客と直接契約し、要件定義・全体アーキテクチャ・プロジェクト統括を担当富士通、日立製作所、NEC、日本IBM
② 中核システム子会社本体から案件を受け、設計〜開発〜運用を担当。自社でも直販する富士通Japan、日立システムズ、NECソリューションイノベータ、日立ソリューションズ
③ 地域・専門子会社/協力会社特定地域、特定製品、特定工程を担当各グループの地域会社、協力会社
メーカー系SIerの階層構造

この階層のどこに入るかで、担当する工程も年収もキャリアも大きく変わります。メーカー系への転職は「会社選び」以上に「階層選び」だと考えてください。

同じ「富士通グループ」でも、本体と子会社では年収が200万円以上違うことも珍しくありません


メーカー系SIerのメリット

メリット① 親会社の案件があり、経営が安定している

メーカー系の最大の強みは、親会社が受注した大型案件が自動的に流れてくることです。

独立系のように「営業が取れなければ仕事がない」という状況にはなりません。SIer4タイプのなかでもユーザー系SIerと並んで景気変動に対する耐性が高い部類です。

また、親会社はいずれも日本を代表する大企業。倒産リスクという観点では、独立系全般よりも懸念が少ないと言えます(独立系SIerは営業利益によって安定感が大きく異なる)。

メリット② 社会インフラ級の大規模案件に関われる

メーカー系SIerが手がける案件は、官公庁、金融、電力、交通、医療など社会インフラそのものと言えます。

これらは、数百人規模のプロジェクト、数年がかりの基幹システム刷新、全国展開のネットワーク構築をともない、メーカー系かユーザー系の大手でなければ経験できません

わたし自身もSIer時代に社会インフラを支える仕事に関われていることに大きなやりがいを感じた経験があります。「だれもが知る案件に関わりたい」「規模の大きな仕事をしたい」という動機の人には、これ以上ない環境です。

メリット③ 教育制度・福利厚生が手厚い

メーカー系SIerの人事制度はその生い立ちから大手メーカーの制度がベースになっているため、研修体系、資格取得支援、住宅補助、退職金制度などが手厚く整っている企業が多いと言えます。

未経験・第二新卒でも育ててもらえる環境という意味では、SIer4タイプのなかで最も有利です。

メリット④ 「製品の専門家」という明確な武器が手に入る

メーカー系では、自社製品・自社基盤に関する深い知識が身につきます。

汎用性という意味では独立系に劣りますが、「この製品ならこの人」という専門性は、社内でも転職市場でも評価される武器です。とくにメインフレーム、ミッションクリティカル基盤、特定業務パッケージの経験者は、いまも需要が根強くあります。


メーカー系SIerのデメリット

デメリット① 自社製品ありきの提案になりやすい

顧客の課題解決のために、本来はオープンに最適な手段を選ぶべきです。しかしメーカー系では自社製品を中心に提案せざるを得ない場面が散見されます。

営業目標がグループ製品の販売に紐づいているケースもあり、「このパッケージソフトウェアで提案しないといけない」という制約が現場に降りてきます。

エンジニアとしては、他社製品や最新のクラウドサービスに触れる機会が減り、知識が偏るリスクがあります。

デメリット② 製品が陳腐化すると、自分の市場価値も陳腐化する

メリット④の裏返しです。

特定製品に特化したスキルは、その製品が売れているうちは強い武器ですが、製品がEOLを迎えたり、提供を終了するとあなたの市場価値も一気に下がります。

メーカー系で長く働く場合は、「製品スキル」と「業務知識・マネジメントスキル」を意識的に両輪で育てる必要があります。

デメリット③ 本体と子会社の待遇差が大きい

親会社本体の平均年収は900万〜1,000万円台ですが、システム子会社は600万〜800万円台にとどまるケースが一般的です。同じグループの同じプロジェクトで働きながら、待遇だけが明確に違うという構造があります。

さらに、子会社では役員クラスに親会社からの出向者が就くケースも多く、いわゆる「ガラスの天井」が存在します。入社前に、役員の経歴を公式サイトやLinkedIn、OpenWorkのクチコミで調べておくことをおすすめします。

「ABC株式会社」の求人なのに「ABCシステムズ株式会社で業務を行ってもらいます」と記載されているケースは、その待遇を面接で確認しておくことを強くおすすめします。

デメリット④ 上流にいるが、手は動かさない

メーカー系の本体・中核子会社は、多重下請け構造では上位に位置します。

裏返すと、実装工程は協力会社に外注することが多く、自分でコードを書く機会が想像以上に少ないという声をよく聞きます。「大手SIerに入ったのに、やっているのは進捗管理とExcel」というミスマッチは、メーカー系で特に起こりやすいパターンです。

プログラミングスキルを磨きたい人にとっては、明確なデメリットになります。


メーカー系SIerの将来性

もはや「ハードの会社」ではない──稼ぎ頭はIT/デジタルサービス

メーカー系SIerの将来性を語るとき、真っ先に見るべきは親会社のセグメント別決算です。

2025年度(2026年3月期)の実績を見てみましょう

企業IT/デジタル系セグメント売上収益利益利益率
株式会社日立製作所デジタルシステム&サービス2兆7,566億円4,501億円(調整後EBITA)16.3%
日本電気株式会社(NEC)ITサービス2兆5,089億円3,367億円(調整後営業利益)13.4%
富士通株式会社サービスソリューション2兆3,469億円3,614億円(調整後営業利益)15.4%
2026年3月期(2025年度)通期実績/出典:各社決算短信・決算説明資料

メーカー御三家はいずれもIT/デジタルサービス部門だけで売上2兆円超、利益率13〜16%を確保していることがわかります。かつては「ハードを売ってソフトはおまけ」というビジネスモデルでしたが、現在の収益構造は完全に逆転しています。

特に注目すべきは利益率です。独立系SIerの平均的な営業利益率が10%前後であることを考えると、13〜16%という水準は相当に高い。メーカー系SIerは、いま最も稼いでいるSIerのタイプと言っていいでしょう。

いま起きている最大の変化は「子会社の本体への再統合」

メーカー系SIerを志望するなら、必ず知っておいてほしい論点があります。

これまでメーカー各社は、システム開発を子会社に分社化してきました。ところがここ数年、その流れが完全に逆回転しています。

企業何が起きたか時期
東芝東芝デジタルソリューションズを東芝本体へ吸収合併(「One東芝」)2026年4月1日
三菱電機本体のIT部門とシステム子会社3社を統合し「三菱電機デジタルイノベーション」を設立(旧・三菱電機インフォメーションシステムズ)2025年4月
NECNECネッツエスアイをTOB(2,354億円)で完全子会社化し上場廃止2025年
富士通ハードウェア事業を富士通エフサス母体の新会社「エフサステクノロジーズ」に集約し、サービス部門と分離2024年4月
出典:東芝ニュースリリース、三菱電機ニュースリリース、日本経済新聞

背景にあるのは、「顧客はもうハードとソフトを分けて買わない」という現実です。

DXやクラウド移行の案件では、企画から運用までを一気通貫で任せられるかどうかが問われます。ところがグループ内で会社が分かれていると、案件ごとに社内調整が発生し、スピードで独立系やコンサル系に負けてしまう。だから本体に戻す、という流れです。

転職者にとって、これはポジティブな変化とネガティブな変化の両方を意味します。

ポジティブ

  • 子会社にいながら、本体の人事制度・給与テーブルに移る可能性がある
  • 上流工程に関われる機会が増える

ネガティブ

  • 統合に伴う評価制度の変更、ポスト削減が起こりうる
  • 「子会社のナンバー2」だったポジションが、統合後は埋もれる

ただ、今後統合を予定しているかは面接でも教えてもらえません。「中期経営計画でのグループ内の役割分担」を質問するのがスマートでしょう


ランキング

ではおもなメーカー系SIerのランキングを見てみましょう

売上高ランキング

抽出方法
・国内のシステムインテグレーション事業を主力とするメーカー系企業が対象
・有価証券報告書または決算公告の「売上高」を抽出

他タイプ(ユーザー系・独立系・コンサル系)と同一基準で比較できるよう、当ブログのSIer主要50社データから抽出

順位会社名売上高従業員数グループ
富士通株式会社 ※13兆1,765億円34,977名富士通
株式会社日立製作所 ※22兆3,890億円15,386名日立
日本電気株式会社(NEC)1兆7,755億円22,036名NEC
日本アイ・ビー・エム株式会社6,493億円非公開IBM
富士通Japan株式会社5,527億円10,000名富士通
6株式会社日立システムズ4,245億円9,998名日立
7NECネッツエスアイ株式会社 ※33,208億円5,293名NEC
8NECソリューションイノベータ株式会社3,180億円12,321名NEC
9株式会社富士通エフサス ※42,224億円6,619名富士通
10日本ヒューレット・パッカード合同会社2,178億円3,000名HPE
11株式会社日立ソリューションズ1,847億円4,996名日立

メーカー系SIer売上高ランキング(出典:各社有価証券報告書・決算公告)
※1 テクノロジーソリューションセグメント

※2 デジタルシステム&サービスセグメント
※3 2025年にNECのTOBにより完全子会社化・上場廃止 ※4 2024年4月に「エフサステクノロジーズ株式会社」へ商号変更、ハードウェア専業会社に再編

メーカー系の特徴は、上位3社が圧倒的に大きく、その下に数千億円規模の中核子会社が並ぶピラミッド構造がハッキリと見てとれます。

なお、東芝デジタルソリューションズ、三菱電機デジタルイノベーション(旧MDIS)、三菱電機ソフトウエア、OKIクロステック、リコーITソリューションズ、セイコーソリューションズ、デル・テクノロジーズなどは、非上場かつ売上高が調査しても不明だったため本ランキングには含めていません。

平均年収ランキング(親会社・上場企業)

メーカー系SIerは非上場子会社が多く、平均年収を有価証券報告書で確認できるのは親会社などの上場企業に限られます。まずはその水準を見てみましょう。

順位会社名平均年収平均年齢平均勤続年数
富士通株式会社1,012万円42.7歳17.6年
株式会社日立製作所995万円42.2歳18.1年
日本電気株式会社(NEC)994万円43.1歳17.3年
三菱電機株式会社913万円40.5歳15.3年
NECネッツエスアイ株式会社745万円

メーカー系SIerの親会社の平均年収(出典:各社有価証券報告書)
※ 三菱電機は電機メーカー本体。子会社「三菱電機デジタルイノベーション」の給与水準を推し量る参考値として掲載

富士通は前年から83万円増、御三家がそろって1,000万円前後まで上がってきました。メーカー系の本体は、SIer業界のなかでもトップクラスの給与水準です。

本体と子会社の年収差は、どのくらいあるのか

ここがメーカー系転職の核心です。

上の表は「親会社本体」の数字です。では中核子会社はどうか。有価証券報告書を出していないため公式な数値はありませんが、当ブログの主要50社データでは、メーカー系の系列会社はおおむね600万〜800万円台のレンジに収まります。

階層平均年収の目安
メーカー本体(富士通、日立、NEC)950万〜1,000万円
中核システム子会社600万〜800万円
地域会社・専門子会社500万〜700万円
※ 公開情報とクチコミサイトの水準からの当ブログ推計。正確な数値は各社の採用担当にご確認ください

差は最大で400万円以上

同じグループ、同じプロジェクト、同じ職場にいても、所属会社が違えばこれだけ変わります。

だからこそ、メーカー系を志望するなら「まず本体を受けてみる」が原則です。転職エージェント経由で紹介されるのは子会社の求人が多いので、本体の求人を扱っているか、担当者に明確に聞いてください。

ホワイトランキング

年収だけでなく、働きやすさも重要です。残業時間・有給休暇消化率とクチコミ評価を合算したホワイト度で比較します。

抽出方法
OpenWorkの「待遇面の満足度」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「人事評価の適正感」を合算。残業時間と有給休暇消化率を加味してスコアを算出

順位会社名残業時間有給休暇取得率ホワイト度
株式会社日立ソリューションズ24.9時間56.4%26.8
NECソリューションイノベータ株式会社28.0時間55.4%26.2
日本電気株式会社(NEC)28.4時間55.3%26.0
日本アイ・ビー・エム株式会社31.6時間58.6%25.7
株式会社日立システムズ24.8時間59.3%25.1
6富士通株式会社28.2時間63.2%23.8
7株式会社富士通エフサス(現エフサステクノロジーズ)28.4時間59.0%21.9
メーカー系SIerホワイトランキング(出典:OpenWork)

正直に言うと、メーカー系のホワイト度はユーザー系に一歩譲ります

ユーザー系の上位はホワイト度28〜30台、有給取得率も80〜95%に達しますが、メーカー系は21〜27台。有給取得率も55%前後にとどまります。

「まったりホワイトに働きたい」が最優先なら、メーカー系よりユーザー系や社内SEを検討したほうが目的に合うかもしれません。


メーカー系SIer企業一覧【グループ別】

「メーカー系SIerの企業一覧が知りたい」という方向けに、系列ごとに整理しました。志望企業がどのグループの、どの階層にあるかを確認してください。

富士通グループ

企業名位置づけ・特徴
富士通株式会社本体。サービスソリューション部門だけで売上2兆3,469億円。平均年収1,012万円
富士通Japan株式会社国内の自治体・医療・文教・中堅企業向けを担う中核子会社。売上5,527億円規模
エフサステクノロジーズ株式会社(旧・富士通エフサス)2024年4月にハードウェア事業を集約。サーバー・ストレージの開発製造・保守が主軸
富士通ネットワークソリューションズ株式会社ネットワーク構築・保守
各地域の富士通系システム会社地域の自治体・企業向けSI

日立グループ

企業名位置づけ・特徴
株式会社日立製作所本体。デジタルシステム&サービス部門で売上2兆7,566億円、利益率16.3%。平均年収995万円
株式会社日立システムズITサービス・運用保守の中核。売上4,245億円規模、従業員約1万名
株式会社日立ソリューションズソフトウェア開発・ソリューション提供の中核。売上1,847億円規模、営業利益率12.0%
株式会社日立チャネルソリューションズATM・金融端末など
日立産業制御ソリューションズ株式会社制御・組込みシステム

NECグループ

企業名位置づけ・特徴
日本電気株式会社(NEC)本体。ITサービス部門で売上2兆5,089億円。平均年収994万円。中途求人数はSIer全体2位
NECソリューションイノベータ株式会社ソフトウェア開発の中核。従業員12,497名(2025年3月末)、営業利益率12.1%
NECネッツエスアイ株式会社ネットワーク構築・コミュニケーション基盤。2025年にNECの完全子会社となり上場廃止
日本電気通信システム株式会社通信システム開発
NECプラットフォームズ株式会社ハードウェア開発・製造

東芝グループ

企業名位置づけ・特徴
株式会社東芝2026年4月1日に東芝デジタルソリューションズを吸収合併し、デジタル事業を本体に再統合
(旧)東芝デジタルソリューションズ株式会社上記統合により2026年4月に解散。社会インフラ・製造業向けシステムに強みがあった

三菱電機グループ

企業名位置づけ・特徴
三菱電機デジタルイノベーション株式会社2025年4月、本体IT部門とシステム子会社3社を統合して発足(旧・三菱電機インフォメーションシステムズ)。従業員約5,400名
三菱電機ソフトウエア株式会社組込み・制御系ソフトウェア開発

外資系ハードウェアメーカー系

企業名位置づけ・特徴
日本アイ・ビー・エム株式会社売上6,493億円規模。コンサルティングとクラウド/AI基盤に軸足。実質的にコンサル系に近い
日本ヒューレット・パッカード合同会社売上2,178億円規模。サーバー・ストレージとハイブリッドクラウド
デル・テクノロジーズ株式会社PC・サーバー・ストレージを中心としたソリューション提供

その他の国内メーカー系

企業名位置づけ・特徴
株式会社OKIクロステックOKI(沖電気工業)系。ATM・金融端末、社会インフラの保守運用
リコーITソリューションズ株式会社リコー系。ソフトウェア開発・エンジニアリング
セイコーソリューションズ株式会社セイコーグループ系。時刻同期・金融ソリューションに強み
シャープマーケティングジャパン株式会社シャープ系。オフィス・文教向けソリューション
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社パナソニック系。分類上はユーザー系に近い

失敗しないメーカー系SIerの選び方【5つのチェックポイント】

メーカー系は「安定」で選ばれがちですが、入る階層を間違えると後戻りが難しいタイプでもあります。採用担当としての視点も含めて、5つに絞ります。

① 本体か、子会社か

最重要ポイントです。年収レンジ、担当工程、昇進の上限がここで決まります。求人票の会社名を必ず確認し、可能な限り本体からチャレンジしてください。

② 役員に親会社出向者がどれだけいるか

子会社を受けるなら、公式サイトの役員一覧を確認しましょう。社長・役員の多くが親会社からの出向であれば、プロパー社員が上を目指すのは構造的に難しくなります。

③ グループ再編の対象になりうるか

前述のとおり、いまメーカー系は「本体への再統合」が進んでいます。中期経営計画やIR資料で、そのグループ会社がどう位置づけられているかを確認してください。再編は待遇改善のチャンスにもリスクにもなります。

④ 自社製品への依存度はどのくらいか

「自社製品の導入・保守が売上の大半」という会社は、その製品のライフサイクルがそのまま自分のキャリアのリスクになります。マルチベンダー案件や外販の比率を面接で聞いておきましょう。

⑤ 実装工程を自社で持っているか

「上流を担当します」という求人でも、実態が協力会社の進捗管理だけというケースがあります。技術を伸ばしたい人は、自社内開発の比率を必ず確認してください。


よくある質問(FAQ)

Q. メーカー系SIerとユーザー系SIerの違いは?

メーカー系はハードウェアメーカーの系列で、親会社が受注した案件の開発・保守を担います。ユーザー系は事業会社の情報システム部門が子会社化したもので、親会社グループのシステムを担当します。メーカー系は「製品を売る側」、ユーザー系は「製品を使う側」の出自だと考えるとわかりやすいでしょう。

Q. メーカー系SIerは「やめとけ」と言われますか?

言われる理由は主に3つです。①自社製品ありきで提案の自由度が低い、②本体と子会社の待遇差が大きい、③上流にいるが自分で手を動かす機会が少ない。いずれも入る階層と役割を見極めれば回避できる問題です。分類そのものが悪いわけではありません。

Q. メーカー系SIerの年収はどのくらい?

親会社本体は950万〜1,000万円(富士通1,012万円、日立995万円、NEC994万円)、中核システム子会社は600万〜800万円台が目安です。本体はSIer業界でもトップクラスの水準です。

Q. メーカー系SIerの将来性はありますか?

御三家はIT/デジタルサービス部門だけで売上2兆円超、利益率13〜16%と好調です。市場としての将来性は高いと言えます。ただし、ハードウェア偏重の事業や、グループ内で役割が重複している子会社は、再編の対象になりやすい点に注意が必要です。

Q. 未経験・第二新卒でもメーカー系SIerに入れる?

入れます。メーカー系は研修体系と育成制度が4タイプのなかで最も整っており、ポテンシャル採用の枠も用意されています。NECのように中途求人を年間数百件規模で出している企業もあります。

Q. メーカー系SIerからのキャリアパスは?

大規模プロジェクトのマネジメント経験が身につくため、事業会社の情シス・DX推進部門への転職と相性が良いのが特徴です。わたし自身も採用側として、メーカー系SIer出身の方を多く面接してきました。一方で、特定製品に依存したスキルだけだと評価されにくいので、業務知識とマネジメント経験を意識的に積んでおくことをおすすめします。


まとめ

メーカー系SIerは、親会社の案件があるため経営が安定しており、社会インフラ級の大規模プロジェクトに関われ、教育制度も手厚い——SIer4タイプのなかで最も「王道」と言えるタイプです。

給与水準も高く、富士通・日立・NECの本体はいずれも平均年収950万〜1,000万円台。IT/デジタルサービス部門の利益率は13〜16%と、独立系を上回っています。

一方で、本体と子会社の待遇差が最大400万円以上という構造があり、さらにいま業界では「子会社を本体に再統合する」動きが加速しています。東芝デジタルソリューションズの東芝本体への合併、三菱電機のIT子会社3社統合、NECネッツエスアイの完全子会社化——これらはすべて直近数年の出来事です。

メーカー系を選ぶなら、会社名だけでなく「グループのなかでの位置づけ」まで見てください。それが、5年後10年後の待遇とキャリアを分けます。

そして、こうしたグループ内の実態は、求人票だけでは絶対に見えません。より良い待遇で交渉してくれる転職エージェントを利用しない手はありません。SIerに10年以上勤務した経験から『レバテックキャリア』『マイナビ転職 IT AGENT』に登録しておけば間違いありません。

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