社内SEのキャリアパス・キャリアプランは?転職後の可能性を解説!

社内SEに転職したいけど、その先どんなキャリアパスになるのか見えなくて不安……

『社内SE』とひと括りにするとその先のキャリアパスが不明瞭で不安になりますよね。

実は、どんなタイプの情シスに転職するかによって、その先のキャリアパスが大きく変わるんです。タイプとは「要件定義だけやるタイプ」「保守・運用が仕事の中心のタイプ」「すべて外部委託してプロジェクト管理だけするタイプ」という感じです。当たり前ですが、タイプによってキャリアパスが大きく変わります。

この記事では、社内SEに将来どのようなキャリアパスがあるのか、情シスのタイプ別の将来のキャリアへの有利/不利について、キャリアアップするための要因について解説します。また、キャリアアップにつながる資格についても解説しますので、ぜひ最後までごらんください。

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  • 情報システム部門のマネージャ職
  • 社内SE採用担当歴6年(書類選考、面接)
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  • 35歳をすぎて倍率200倍の社内SEへ
  • 転職相談はX(Twitter)のDMでお気軽に!
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目次

社内SEの仕事内容

社内SEの仕事は多岐にわたります。ざっと挙げただけでつぎのような業務があります。詳細が気になる方は『35歳以上のエンジニアが社内SEを目指すにはどうすればいいか?』をご覧ください。

  1. システム戦略策定
  2. システム企画
  3. システム導入(システム開発含む)
  4. システム保守/運用
  5. PC等のIT資産管理
  6. ネットワークインフラ管理
  7. システム導入効果の評価
  8. 情報セキュリティ関連
  9. システムやPC、ネットワークのヘルプデスク
  10. デジタルトランスフォーメーション推進
  11. システム監査対応

システム開発事業を行っている会社はどの会社も似たような業務内容です。一方、社内SEは各社で情報システム部門の役割が大きく異なります。具体的には、会社によってつぎのように情報システム部門が担当する工程が異なります。

それぞれのタイプの詳細は『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』で解説していますが、ここではタイプ分類ができることを理解してもらえれば十分です。

どんなキャリアパスがあるか?

では、あなたが社内SEへ転職した後、どのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか。

主なキャリアパスはつぎのとおりです

社内SEのキャリアパス
① 情シスで管理職/CIOを目指す
② 社内で業務部門へ異動する
③ 他社の社内SEへ転職する
④ SIerへ転職する
⑤ ITコンサルファームへ転職する
⑥ フリーランスエンジニアになる

① 情シスで管理職/CIOを目指す

ポピュラーなキャリアパスとして、社内SEが所属する部門内で管理職を目指すキャリアパスです。情報システム部門の規模にもよりますが、部長・課長・マネージャといった役職が一般的です。

規模が大きいと情報システム本部の中に「インフラ」「アプリケーション」「セキュリティ」という単位で部長や課長がいますし、規模が小さいと「総務部」の中に「情報システム課」があるだけという場合もあります。

② 社内で業務部門へ異動する

情報システム部門以外と人事ローテーションがある場合、「ITエンジニアのキャリアパス」ではなく、「XX株式会社の中でのキャリア構築」を考える必要があります。

ITに詳しいだけではなく、業務知識も必要になります。実は、社内SEは業務部門の社員より俯瞰して業務フローを理解していたり、他部門との業務の関わりを知っていたりするので重宝されます。さらに、異動先の部内ITをとりまとめて、システム入れ替えプロジェクトをリードするなど活躍するケースが多く見られます。

③ 他社の社内SEへ転職する

他の事業会社の社内SEへ転職するというキャリアパスもあります。特に、同業他社であれば業務領域が近いことをあり、転職面接で困ることはありませんし、有利に選考を進むことが可能です。

実際に、私も同業の方から転職のお声をかけていただくことがあります。これは大学・教育という特殊な業界であることにも起因していそうです。業界が他と異なる業務領域を持っていると、同業内の社内SE転職がより有利に進めれそうです。

④ SIerへ転職する

発注側から供給側へ回るというキャリアパスも可能です。ポピュラーなのはSIerへの転職です。SIerといっても、SIerには営業から開発、保守までさまざまな組織があります。

社内SEとしてのあなたのキャリアにもよりますが、例えば、プロジェクトマネージャとして活躍された方はSIerでも通用します。また、社内SEとして自社開発されていた場合、プログラマーやアーキテクトとしても転職可能です。

SIerの仕事については、①システム開発・保守、②エンジニアの客先常駐、③製品・サービスの販売・導入があります。詳しくは『IT業界ノート -年収と市場価値が上がるIT業界を解説-』にわかりやすく解説されています。

⑤ ITコンサルファームへ転職する

社内SEとして、経営戦略に沿ったシステム化やIT戦略の立案、DX推進を担当されてきた方なら、ITコンサルファームへの転職もキャリアパスに含めることが可能です。

実際に、わたしもSIerから社内SEへ転職し、転職エージェントに登録しているとスカウトからもらう案件の10件に1件程度はいわゆるITコンサルファームです。

⑥ フリーランスエンジニアになる

最後に、社内SEからフリーランスのITエンジニアとして独立する道も残っています。

ただし、フリーランスはプログラミングなり要件定義なりにかなり尖った強みが必要です。さらに、強みがあるだけでは不十分で独立後に仕事を発注してくれる取引先との関係を独立前から作り上げておく必要があります。

超重要!今から社内SE転職を目指すときのタイプ選び!

この後のブロックで、「社内SEとしてキャリアアップするために必要な要素」を説明しますが、その前に一番重要なポイントをお伝えします。

これができていないと、どれだけこのあとの「必要な要素」を満たしても満足する結果は得られないので、十分に注意してください!

最も重要なポイントは、「将来、社内SEからさらに転職するなら、その前の社内SEのタイプ選択を間違うな!」という点です。つまり、社内SEの役割は会社によって大きく異なり、タイプ毎につぎの転職の有利/不利が大きく異なるんです。

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管理職/CIO
(昇格)
業務部門へ
(社内異動)
他社の社内SE
(転職)
SIerへ
(転職)
ITコンサルへ
(転職)
フリーランス
(独立)
DX推進型
情シス



ほぼなし

少ない
御用聞き型
情シス

少ない

少ない

ほぼなし
ヘルプデスク型情シス
ほぼなし

少ない

求人少ない

求人少ない

ほぼなし
全工程自前型
情シス





やや不利

情シスのタイプ別の転職先の有利/不利一覧表(タイプやキャリアにもよるため参考程度)

キャリアパスの選択ミスの例1
現在SIerに勤務している人が、御用聞き型情シスに転職しました。そこから情シス管理職、CIOへの昇進を目指すのは非常に難しいでしょう。なぜなら、御用聞き型情シスの会社では社内でIT部門の力が非常に弱く、そもそもCIOというポジションがないケースも多いためです。

CIOや情シス本部長を目指すなら、「DX推進型情シス」または「全工程自前型情シス」にいないと難しいでしょう。

キャリアパスの選択ミスの例2
現在SESに勤務している人が、ヘルプデスク型情シスに転職しました。そこからITコンサルファームへの転職を狙うのは非常に厳しいでしょう。なぜなら、ITコンサルファームの転職時に求められるIT戦略立案経験やDX推進経験はヘルプデスク型情シスでは身につかないためです。

ITコンサルファームへの転職を狙うなら「DX推進型情シス」や「全工程自前型情シス(ただし要件定義ができるポジション)」にいないと難しいでしょう。

このように、最終的に狙う転職先があるなら、その一歩手前の情報システム部門のタイプ選択を間違うと一気に苦しくなると覚えておきましょう。

キャリアアップを成功させるための要因は?

社内SEとしてキャリアアップするために必要な要素は?

① 社内からの評価

キャリアパスのうち、「情シスで管理職/CIOを目指す」「社内で業務部門へ異動する」を目指すなら、社内での評価が最重要要素になります。社内での評価が低いとこれらを実現するのは困難だからです。(社内の閑職へのネガティブな人事異動は除きます)

社内評価をあげるには、短期的には「経営の数字に直結する目立った仕事で成果をあげること」です。中長期的には「システム利用部門や最終的な顧客の役に立つ仕事を自分から率先してやる」に尽きるとわたしは考えています。

実際に、わたしは特別ITエンジニアとしてスキルが高いわけではありませんが、転職直後から常に組織の役に立つことやシステム利用者の役に立つことを考え骨の折れる仕事も積極的に担当しました。その結果、情シス内部にも業務部門にも多くの味方をつくることで社内評価を獲得し、中途採用として最速でマネージャ職まで昇格しました。

② プロジェクトマネジメントスキル

「他社の社内SEへ転職する」「SIerへ転職する」というキャリアパスを将来的に考えている場合、あなたが生きる世界は「XX株式会社」ではなく「IT業界」であると考えて、ITスキルの向上やIT経験値の積み上げに注力すべきです。

その中でも35歳以上の転職者に必ず求められるのは「プロジェクトマネジメントスキル」だと言えます。なぜなら、よほど尖ったプログラミングなどのスキルを持っている人を除き、35歳以上になるとメンバーやベンダーを管理することで大きな仕事をして、大きな利益を獲得することが求められるからです。1人のプレイヤーとしてのあなたに期待されることは稀だと考えましょう。

③ DX推進の経験

「ITコンサルファームへ転職する」ことを目指す場合、前述のプロジェクトマネジメントスキルに加えて、IT戦略の立案経験やDX推進経験、業務改革の経験は必須と言えます。

なぜなら、アクセンチュアやPwC、IBMなどのITコンサルティングサービス部門を持つコンサルファームの転職要件にこれらの経験が求められるためです。

社内SEとしてサーバやネットワークの監視、外部ベンダーの開発管理をしてきました。
現役社内SE(35歳)

うちではそういう人は募集してません……
ITコンサルファーム採用担当者

こういうやりとりにさえたどり着けず、書類選考で落ちる確率が非常に高いと考えましょう。

キャリアアップにつながる資格はあるか?

社内SEのキャリアアップにつながる資格ってあるの?

35歳以上になると、資格よりも実績が重視されることは言うまでもありません。社内評価において資格試験が重視される企業は少ないイメージです。SIerやSESなら資格試験の合格が昇格要件に含まれるケースがありますが、社内SEでは皆無だと思ってよいでしょう。(なぜなら、社内SEは他の非ITエンジニアの社員と同じ条件で人事評価するケースが多いためです)

ただし、社内SEへ転職する場合に有利なIT関連資格ならあります。高く評価されるというより、「最低限の知識の保証」という位置づけではありますが、他の候補者より優遇します。

① 基本情報技術者試験

社内SEには「ITに関する幅広い知識」がもっとも求められます。基本情報技術者試験(FE)はITの基本的な知識を問う試験で、最低限のITに関する知識は持っていることを証明できます。

② プロジェクトマネージャ試験

社内SEにはプロジェクトマネジメントスキルが求められるため、PMIが主催する『PMP』、またはIPAの『プロジェクトマネージャ(PM)試験』がおすすめできます。

35歳以上で社内SEに転職したら、必ずと言っていいほどプロジェクトマネジメントを任されます。「それができるだけの知識は持っていますよ」という証明にピッタリ合致する資格です。

③ ITストラテジスト試験

最後におすすめしたいのは『ITストラテジスト試験』です。システム導入の超上流工程やシステム企画を担当することが多いDX推進型の社内SEにピッタリの資格と言えます。

まとめ

この記事では、将来、社内SEにはどのようなキャリアパスがあるのかご紹介しました。キャリアパスは以下の6つに大別できます。

社内SEのキャリアパス
① 情シスで管理職/CIOを目指す
② 社内で業務部門へ異動する
③ 他社の社内SEへ転職する
④ SIerへ転職する
⑤ ITコンサルファームへ転職する
⑥ フリーランスエンジニアになる

ただし、将来①〜⑥のどれにでも転職できるわけではありません。転職前の仕事内容によっては転職が実現しにくいケースがあります。例えば、ヘルプデスク型の情シスからITコンサルファームへ転職を果たすのは非常に困難です。将来を見据えた会社選び、情シスタイプ選びが重要です。

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管理職/CIO
(昇格)
業務部門へ
(社内異動)
他社の社内SE
(転職)
SIerへ
(転職)
ITコンサルへ
(転職)
フリーランス
(独立)
DX推進型
情シス



ほぼなし

少ない
御用聞き型
情シス

少ない

少ない

ほぼなし
ヘルプデスク型情シス
ほぼなし

少ない

求人少ない

求人少ない

ほぼなし

要件定義や開発は難易度が高い
全工程自前型
情シス





やや不利

情シスのタイプ別の転職先の有利/不利一覧表(タイプやキャリアにもよるため参考程度)

将来のキャリアパスを狭めないためには「DX推進型情シス」「全工程自前型情シス」がおすすめです。IT業界で生きていくキャリアパスだとすでに決めた場合は「御用聞き型情シス」もおすすめです。

これらのタイプ分けを転職サイトの求人票だけで行うのは難しい場合があります。その場合はぜひIT業界や社内SE業界に詳しい転職エージェントを利用することをおすすめします。以下におすすめの転職エージェントがありますので、各サイトから会員登録(無料)して、アドバイザーとの面談で希望を伝えてみましょう。

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