社内SEとSIerはどっちがいい?年収・評価基準・キャリアパス・働き方を徹底比較

目次

社内SEとSIerの違い

社内SEとSIerの丸わかり比較表

さくっと比べたい場合、以下の比較表をごらんください

比較項目社内SESIer
立場事業会社の情報システム部門に所属するシステムエンジニアソフトウェアやITインフラ、セキュリティを統合したシステムとして構築するシステムエンジニア
担当領域デジタル戦略立案、システム企画、要件定義、ユーザテスト、システム運用要件定義から設計、構築、結合テスト、総合テスト、システム保守
一人あたりの業務範囲の広さ広い(知識領域が広い)狭い(専門性が高い)
案件数多い大型案件の場合、基本的に1つ
求められるスキル・広いIT知識と実践力
・社内調整力
・ベンダーコントロール
・深いIT知識と構築力
・プロジェクト管理力
・SESコントロール
責任範囲・社内の担当システム全体の安定稼動
・既存システムのリプレイス
・契約案件のQCD(品質・コスト・納期)遵守

なお、社内SEが所属する情報システム部門の役割は会社によってばらつきがあります。上記の表は開発部隊をほぼ持たない会社のケースを想定しています。大手企業を中心に、開発チームを持つ会社の場合はSIerとの差が小さくなります。

情報システム部門のタイプについてさらに知りたい方は『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』でくわしく分類しているので参照してください。

社内SEとは

社内SEとは、企業や組織の中の情報システムに関わる企画・計画・導入/構築・保守/運用までを担当するシステムエンジニアのことです。

社内SEの仕事内容は企業や組織によってその役割分担が異なります。例えば、プログラミングまで社内SEが行う(内製する)場合もあれば、システム企画と導入プロジェクト管理だけという場合もあります。ここでは概ねつぎのような業務を行うんだという理解でOKです。

  • システム戦略策定
  • システム企画
  • システム導入(システム開発含む)
  • システム保守/運用
  • PC等のIT資産管理
  • ネットワークインフラ管理
  • システム導入効果の評価
  • 情報セキュリティ関連
  • システムやPC、ネットワークのヘルプデスク
  • デジタルトランスフォーメーション推進
  • システム監査対応

SIerとは

SIerとは、非ITの事業会社から発注を受けて、システムやITインフラの開発から運用までをトータルで請け負う会社を指します。

SIerの仕事内容は幅広く、要求分析からシステムや機能の設計、プログラミングからテスト、保守、運用まで担当する。また、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアもみます。ネットワークもセキュリティも社内で分業して担当します。

まさに”インテグレーション”、つまりシステムを”統合”して顧客に価値を提供することがSIerの役割です。

比率は社内SE:SIer=3:7

日本は、SIerをはじめとするIT企業にSEが偏在しており、社内SEは全体の30%にも満たないと言われています。

出所:内閣府「令和4年度 年次経済財政報告」P.248 のデータを利用

ただし、2021年以降、流れが変わっている点も知っておきましょう。

事業会社によるITシステムの内製化や生成AIによりツールやシステムの開発が容易になったことなどを背景に社内SEを積極的に採用する動きが強まっています

社内SEかSIerか迷った時の”選択の軸”

社内SEとSIerで迷っている方は、“選択の軸”を考えてみてください。あなたが転職でかならず実現したいこと、あるいは絶対に回避したいことを思い浮かべてみてください

選択の軸
・評価基準
・成長機会
・人間関係
・年収
・キャリアパス/将来性
・ワークライフバランス

評価基準で選ぶ

企画力と安定性を評価されたいなら社内SE

社内SEは事業会社のなかでコスト部門、つまり人事部や経理部と同じ扱い立ち位置です。そのため、「攻め」より「守り」が重視され、社内のシステムを問題なく安定的に提供することが重視される傾向になります。

一方で、2020年代に入ってからというもの、企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現やAIの活用が死活問題となっています。

そのため、社内SEといえど「企画力」が評価基準に入っています。実際に、わたし自身も情シスのマネージャとして人材を評価する際に、新しい企画ができたか、どれだけ周囲を巻き込んだ取り組みができたかを評価に含めています。

マネジメント力を評価されたいならSIer

SIerは会社規模によりますが、システム提案、要件定義から実装、運用まで幅広くみます。そのため、30歳になる頃には「マネジメント力」特にプロジェクトマネジメント力が問われます。もう少し解像度を上げるなら「品質管理」「コスト管理」「課題管理を含む進捗管理」です。

「SIerに実装力は不要」という論調が一部にありますが、これも「マネジメントするのに必要な実装力や実務知識は必要」と読み替えてよいでしょう。

実際にわたし自身がSIerでプロマネを務めていたときも、ベンダーから提示される見積書をしっかりと精査できたのは実装力があるためです。

成長機会で選ぶ

30代の成長機会が多いのが社内SE

事業会社によりますが、多くの情報システム部門はSIerほど育成コストをかけられていません。そのため20代を比較すると、社内SEとSIerのSEでは、スキルと経験に差を感じてしまうことが少なくありません。

一方、30代、特に35歳以上になると、SIerより社内SEの方が経験値を積む機会が増えます。なぜなら、社内SEも35歳以上となると、社内で予算を通して経営陣に説明する機会も増え、契約管理からベンダー管理まで一人でやり切る機会が増えるためです。

20代の成長機会が多いのがSIer

日本のSIerの20代への教育投資は異常に高いと言えます。文系大学卒の人材をイチから育成するために、入社後約半年ほどかけて研修を行う大手SIerも少なくありません。

ただし、研修が終わり2年目ともなれば、20代であっても売上をあげてなんぼの世界ですので、プロジェクトで月に100万円で売りが立つ存在として扱われます。顧客側も安くない費用を払っているので、プロフェッショナルとしての成果が求められ、自然と成長機会が増えると言えます。

人間関係で選ぶ

中長期で人間関係が替わるのが社内SE

社内SEは複数の案件を担当するため、案件毎に人間関係は異なりますが、関係性は希薄です。

より関係性が強いのは社内の人間関係であり、これは毎年のように替わるものではありません。例えば、入社したときの直属の課長が毎年異動するということはまずありません。

短期間で人間関係が替わるのがSIer

一方、SIerの場合、部課の関係性よりプロジェクトの人間関係の方が密度が高く、プロジェクトは1つ、多くても2〜3つです。

プロジェクトは短いものだと半年程度ですし、長くても2〜3年で交代することが多いため、人間関係は比較的短期間でリセットされる傾向にあると言えます。すべてリセットではなく、部分的にリセットされ、常に人が出入りするイメージが近いでしょう。

年収で選ぶ

全業種の平均に近い社内SE

年収は一言で表すと「会社による」傾向がもっとも強いので、一概にはいいにくいのですが、社内SEはすべての業界にいますので、「社内SEの平均給与=全業種の平均給与」となります。

もちろん、大手企業の社内SEや平均給与が高い業界の社内SEは給与が高くなるので、転職時に具体的な企業を選ぶ段階で確認することを強くおすすめします。

全業種のなかでは給与が高いSIer

情報・通信業の平均給与は全業種のなかで「インフラ」「金融」に次ぐ3位であることを考えると、全業種のなかで高い方だと言えます。

その情報・通信業のなかで、SIerの給与はざっくり言えば「規模が大きいほど給与が高い」傾向があります。

これは情報・通信業において多重請負構造があるためです。詳しくは『SIerはやめとけ?ビジネス構造の問題② 多重請負』でご確認ください。

キャリアパス/将来性で選ぶ

今後ますます重要な役割が期待される社内SE

社内SEの役割の重要性は年々増しており、これは事業会社のDXとAI活用の課題に紐づいています。そのため、今後社内SEの仕事は変わっていっても、役割自体がなくなることはないと考えられます。

そのなかでも特に、DX推進できる人材、データ活用人材、AI活用推進人材、プロジェクトマネジメント人材はニーズが高いことは、社内SEの中途採用の求人要項を見れば一目瞭然です。

AIにより役割は変わるが市場は拡大を続けるSIer

SIerの役割は「設計でもコーディングでもなく、システムを統合することで顧客に価値を提供すること」です。そう捉えると、AIの台頭によって顧客側がかんたんなツールやシステムを自作することによる仕事の減少はあっても、大規模システムは変わらずSIerの重要な仕事の1つとして残るでしょう。

SIer自身もAIを活用し、効率的に統合したシステムを提供する取り組みを開始しています。これは原価構造に大きな変化をもたらすため、3次・4次請けのSIer(SES)企業は苦しくなりますが、1次・2次請けSIerは従来どおり売上高を拡大することが予想されます。

ワークライフバランスで選ぶ

残業時間、有給休暇消化率、育児休暇取得率は会社によって大きく異なります。2010年あたりまではIT業界はブラックだと言われていましたが、現在はかなり改善されています。

一方、IT職種のなかでも社内SEはもっとも平均残業時間が短いと言われています。ワークライフバランスを重視するなら社内SEという選択が良いでしょう。詳細は『SIerを狙うあなたに情シス/社内SE転職がおすすめな4つの理由』の「理由②:とにかくホワイトな環境」でご確認ください。

いずれにしても、転職を検討されている場合は、社内SEであってもSIerであっても『しょくばラボ』で志望企業のデータを確認されることを強くおすすめします。

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大手SIerに興味もあるし、気になる社内SEの会社もある
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おすすめ検索方法
・[業種]:IT・通信 > SIer・システム開発・ソフトハウス を選択
・[職種]:SE・システムエンジニアから該当職種を選択

・[こだわり]:テレワーク、オンライン面接等を指定

一番おすすめしたいのは、SIerと社内SEで転職サービスを使い分ける方法です。それぞれ詳細は以下の記事をぜひ参考にしてください。

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