データで見る社内SE転職市場の傾向!ライバルはどんな経歴か?

データで見る社内SE転職市場の傾向!ライバルはどんな経歴か?

社内SEへの転職活動でなんども不採用が続くことはよくあることです。なぜなら社内SEは人気職種で倍率も高いからです。でも一体どんな人たちがあなたのライバルなのでしょうか?実は思っている以上に、高年齢/高年収なんです。転職のライバルを知ることで、あなたが採るべき転職戦略を一緒に考えませんか?

この記事でわかること
  • 社内SEの転職市場データ(年齢構成比、年収、転職回数、最終学歴など)
  • 求人案件への求職者のアクション(応募するのは2-3%程度、最初の1週間で80%が集まる)
  • 35歳以上の社内SE志望者が採るべき転職戦略
R35 管理者の転職プロフィール
  • ITエンジニア職の中途採用を担当(書類選考、面接)
  • 文系大卒業後、国内大手SIerに就職
  • MBAでマネジメントやHR領域を学ぶ
  • 35歳をすぎて倍率200倍の私立大学職員へ転職成功
  • 情報システム部門で管理職&プロジェクトマネージャ
目次

データで見る選考のライバルの姿

【注意】データの出所

この記事でご紹介するデータは以下をベースにしています。
・大手・中堅の人材業界の方3名と『社内SEの中途採用』に関して協議した話
・わたし自身の社内SE中途採用の選考経験
・対象とする転職市場は大都市圏
※ そのため数字は詳細ではなく、転職市場の傾向を示す大まかな数字です

① 年齢/年収の構成

社内SEを目指す方の年齢と年収(自己申告)の構成はつぎのとおりです。

注意:上記は年齢と年収のレンジを表現したイメージです。正確な数字から起こしたヒートマップではありません

ゾーン1は35歳未満で年収にも差がつきにくく、全体的に人数が少ない傾向にあります。ゾーン2は36歳から45歳で年収レンジは広め、さらにこのゾーンからぐっと人数が増えます。ゾーン3も年収レンジは広く年収も高いのですが、より高年収な人が多いゾーンです。

「社内SEへの転職なら35歳からが良い」と言う理由はここにあります。46歳以上になると志望者も高年収・高待遇を求めるため採用につながりにくく、一方で「経験値は十分なのに年収レンジが広く人件費を抑えやすい」という採用側の思惑が働くのが35-45歳あたりなのです。

② 転職回数

社内SEへの転職を志望する方の転職回数はまちまちですが、1-2回程度の転職経験者が全体の50%程度です。

転職経験がない(0回)の方は30%程度で、残り20%が3回以上転職を経験しているという構成です。

転職回数割合(目安)
転職経験なし(0回)30%
1-2回の転職経験あり50%
3回以上の転職経験あり20%

③ 最終学歴

学歴は地域によって格差が大きく出やすい項目ですが、大都市圏では大卒が70%程度、大学院卒を含めると80%程度になります。残り20%が高等学校卒、あるいは専門学校や短大卒等です。

大学への進学率はここ2010年あたりからほぼ頭打ち(女性のみ若干上昇)になっているため、転職市場における学歴の構成比率は今後もほぼ変わらないことが見込まれます。

④ 英語力

英語力は総じて低く、測定していない(TOEICやTOEFL、英検の未受験者)、あるいは初級レベルで全体の75%程度を占めています。残りの25%は中級・上級レベルであり、実務で英語を使っている、あるいはTOEIC等のスコアが高いレベルにあると言えます。

つまり、英語力に自信がある方は外資系の社内SEなら引く手あまたの状態と言えます。一方、社内SEの転職市場では英語力が総じて低いため、もしもあなたが英語に不安があっても気にする必要はないでしょう。

⑤ 出身業種

社内SEを志望する方の50-60%程度が情報・通信業に従事した経験を持っています。これはシステムエンジニアあるいはプログラマの経験があると考えてよいでしょう。残りの約半数がその他の業界での経験を持っており、この中の半数以上は社内SEの経験があると考えるのが自然だと思います。

つまり、全くの未経験者(情報・通信業でシステムエンジニアの経験がなく、かつ他業種でも社内SEの経験がない)は全体の25%未満程度であると考える方がよいでしょう。これは実際に中途採用の選考を担当して感じる割合に近い数字です。場合によっては10%程度ということもあります。

⑥ 求人案件への応募

社内SEへの求人案件が公開されると、社内SEへの転職に関心がある人の2-3%程度の方が応募すると言われています。もちろん採用企業側の知名度や待遇の良し悪しにもよります。

また、応募者の70-80%程度は求人案件が公開されて約1週間で集まると言われています。随時募集している求人案件の場合、一日でも早く応募することは重要です。自分より先に優秀な人で募集枠が埋まってしまうからです。一方、募集期間が決まっている場合は書類選考はまとめて行われるので早期に応募してもメリットは大きくないケースが多いでしょう。

あなたが採るべき転職戦略

① 年齢は35-45歳がベスト

社内SEへの転職志望者の年収レンジを見ると、35歳以下だと年収の幅は狭いのですが、36-45歳は年収に差が生じています。一方、46歳以上は高年収レンジに入ります。

採用企業側の都合で考えると、35歳以下、特に30歳未満は経験不十分であるため、一定の教育を必要とします。これが十分にできる情報システム部門はそこまで多くありません。どこも教育に手が回らない、あるいは教育できるような人材がいない状況です。一方、46歳以上は高い年収に相応のスター選手枠です。業界での実績が十分にある人物を採用するケースと言えます。入社直後からこのような高待遇ができるような人事制度・給与テーブルではないという企業も中にはあるでしょう。

そこで、36-45歳が狙い目となります。実際の中途採用においてもこのレンジは「即戦力、かつ年収をある程度抑えられる」ため現実的な採用候補なのです。

② 転職回数は4回目となると目立つ

あなたの年齢や志望企業の企業文化にもよりますが、現在の勤務先が3社目となると書類選考や面接の段階で転職回数が目立ってしまいます

3社目までという方が全体の80%だからです

選考担当者は「なぜ転職したのか?」「転職先の人間関係や勤務態度に問題があるのではないか?」と考えてしまいます。そのため、以下が説明できるように準備しておくことをおすすめします。

転職回数が多い場合の準備
  • 転職した理由と、その理由は転職先で実現できたか
  • 転職を繰り返しても、キャリアには一貫性や志があるか
  • その一貫性や志は今回の志望企業にも通じるものか
  • 今回の転職が実現した場合、志望企業には長く務めると言える理由はなにか(※)

※必ずしも長いことが重要ではなく、採用側が「十分成果を出してから辞めた」と感じられる期間

③ 現在の業種より即戦力と思わせる経験をアピール

社内SEへの転職志望者は大きく3つに分類できます。「ベンダー側のシステムエンジニア」「他社の現役社内SE」「未経験者」です。それぞれアピールすべき経験は異なります。

その前に、志望企業側の情報システム部門がどのようなタイプの人材を求めているのか分析するところから始めましょう。

情報システム部門のタイプ分析なら、過去の記事『35歳以上が書類通過率アップしたいなら、『社内SEのタイプ』を分類しよう!』が参考になります。

ベンダー側のシステムエンジニア

現在、あなたがベンダー側のシステムエンジニア、プログラマ、プロジェクトマネージャなどの場合、志望企業の情報システム部門が「全工程自前型」や「御用聞き型」であれば、あなたの経験を大いにアピールできます。それは志望企業での仕事がSIerやSESでやってきた業務の延長線上にあるためです。どのような点がアピールできるか、以下の過去記事をぜひ参考にしてください。並行運用しているサイトxTech.tvに遷移します。

他社の現役社内SE

現在、あなたが他社の情報システム部門に勤務している場合、具体的なシステム導入・運用の経験をアピールするのが最も効果的です。実績が十分であれば、選考担当者が気にするのはあなたの志望動機が自社にマッチするかです。

 志望動機については以下の過去記事をぜひ参考にしてください。並行運用しているサイトxTech.tvに遷移します。

未経験者

厳しい言い方になりますが、情報・通信業の経験がなく社内SEの経験もない、いわゆる未経験者として35歳以上で志望企業に採用されるのは決してかんたんなことではありません。

一方で、未経験者だからこそ、情報システム部門ではなく企業の事業部門(システム利用部門)のIT担当を目指すのであれば可能性はぐっと高まります。従来から人材が不足しているのは情報システム部門だけではなく、システム利用部門も同様だからです。

出典:IT人材需要に関する調査(経済産業省)

経済産業省もIT人材需要に関する調査』でその必要性について言及しているとおり、上図の『現場IT人材』を求める企業が増えています。あなたが現職や前職において事業部門の立場でシステム導入や業務改革を経験しているなら、その経験は大いにアピールできます。

まとめ

この記事では、社内SE転職市場の年収や年齢構成、転職回数などについて複数の情報源を総合し、傾向として解説しました。その傾向をもとに35歳のあなたが採るべき戦略について解説しながら、参考にしていただけそうな記事をご紹介しました。

傾向をもとに戦略を練る作業はあなた1人で行うのではなく、信頼できる友人や同僚、あるいは転職エージェントと進めることをおすすめします。転職エージェントとの面談を通じて、高い視点で俯瞰しながらアドバイスをもらい、転職を有利に進めましょう!35歳以上の社内SE転職志望者におすすめの転職エージェントをご紹介します。ぜひ登録してご利用ください。

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